2021年4月13日、佐川急便株式会社(以下、佐川急便)と電気自動車の普及促進を目指すASF株式会社(以下、ASF)は、共同開発した宅配用電気自動車(BEV)のプロトタイプを公開した。

集配車両のCO2排出量ゼロを目指して開発

画像: 宅配用電気自動車のプロトタイプを前に、佐川急便の本村社長(左)とASFの飯塚社長。

宅配用電気自動車のプロトタイプを前に、佐川急便の本村社長(左)とASFの飯塚社長。

今回公開された宅配用BEVは、2020年6月に発表された佐川急便とASFの間で締結された「小型電気自動車の共同開発および実証実験開始の基本合意」が結実したものだ。

佐川急便の要望を受けてASFがデザインやシステムなどの開発を行い、製造と開発は中国の五菱汽車が担当する。また開発に先立って、業務で軽自動車を使用している約7200名のドライバーにアンケートを行い、それを反映した内容となっている。

この宅配用BEVプロトタイプの外寸は、全長3395×全幅1475×全高1950mmと軽自動車の規格に収まっている。航続距離は200km以上を確保し、最高速度は100km/hを実現している。衝突軽減ブレーキ、後退時被害軽減ブレーキ、バックソナー、バックアイカメラ、自走事故防止装置、ドライブレコーダーといった安全装備から、ウエアラブル端末を介したドライバーの健康管理機能、太陽光発電パネルも装備される。

今回公開された宅配用BEVはプロトタイプのため200Vの普通充電にのみ対応していたが、導入時には急速充電(CHAdeMO)にも対応するという。なお、バッテリーの種類や容量などについては、今のところ公表されていない。

画像: 車内でドライバーが少しでも快適に過ごせるように、さまざまな工夫が施されている。

車内でドライバーが少しでも快適に過ごせるように、さまざまな工夫が施されている。

車内は、ドライバーがゆとりを持って過ごせるように運転席は助手席よりも約10cm幅が広くなっており、運転席と助手席には身体を休める際にあると重宝するリクライニング機構も備える。また、引き出すとテーブルとして使えるプレートをインパネ助手席側に配置し、業務の合間に昼食を摂るといったことにも使用できる。これには小型のノートパソコンを置ける広さと強度が確保されている。

また、運転席と助手席の間には多目的に使えるセンターボックスも装備。ここには、体を動かし水分補給が欠かせないドライバーのために1Lの紙パック飲料にも対応したドリンクホルダーや書類を挟んだバインダーなどを収納できるほか、USBポート2つとコンセント1つも配置され、業務に必要な電子機器の充電が可能だ。

さらに運転席サンバイザーの上にはティッシュボックスとタオルなどを収納できるスペースが、助手席側の同じ位置はフタ付きの収納スペースとするなど、ドライバーの快適性を最優先に考えたパッケージングが採用されている。

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