「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、電気自動車となったトヨタ iQ EV(プロトタイプ)だ。

トヨタ iQ EV(2010年:プロトタイプ)

画像: パッと見は、iQそのもの。よく見ればフロントマスクの向かって右側に充電ポートが備わるのだが、遠目には分からないだろう。

パッと見は、iQそのもの。よく見ればフロントマスクの向かって右側に充電ポートが備わるのだが、遠目には分からないだろう。

今年(編集部註:2010年)のロサンゼルス モーターショーでRAV4をベースにしたEVをお披露目すると公言していたトヨタが、そのプレス発表日とほぼ同じタイミングで、もう1台のプロトタイプEVの試乗会を行った。市販が前提で、2012年には北米市場に加え、日本と欧州市場にも導入して、年間規模で数千台を目標に販売を開始するという。

おそらくはトヨタの本格的市販EV第1号となる、このiQベースのEV(正式名称は明らかにされていないので、とりあえずiQ EVと呼んでおこう)の完成度は、現状でも十分に市販モデルとして通用するレベルに達していた。ほんのわずかな試乗時間ではあったが、「早く街中で乗り回してみたい」と、素直に思った。

試乗車の見た目は、実にそっけないほど、iQそのもの。よく見ればフロントグリル左に充電ポートが設定されていたり、リアバンパーの下にテールパイプがなかったりするが、パッと見では違いはわかりにくい。

ドライバーズシートに座っても、目の前の風景は見慣れたiQそのもの。イグニッションを捻ると、メーターパネルの隅にある小さな「Ready」のランプが点灯して、初めて「EVだった」と思わせてくれる。エンジン車とはもう少し差別化が欲しいところだが、プロトタイプだから仕方ないところか。

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