アウディと言えばフルタイム4WDの「クワトロ」一択のイメージが強いが、FFも侮れない。ここではアウディQ3スポーツバック35TFSIに試乗した。(Motor Magazine2021年5月号より)

クアトロシステムで一躍世に出たアウディだが・・・

アウディの歴史は複雑だ。アウグスト・ホルヒは自分の名を冠した超高級自動車メーカー「ホルヒ」を1899年に設立したが、技術にこだわりすぎたせいで投資家から愛想を尽かされて失脚。再起をかけて1909年に立ち上げたのがアウディだった。

こちらも戦前期には6気筒や8気筒のエンジンを積む高級車メーカーだったが、ホルヒ、DKW、ヴァンダラーとともに結成したアウトウニオン(自動車組合)は第二次世界大戦で壊滅的なダメージを受け、事業が立ち行かなくなる。

本格的な再生が始まったのは1969年のこと。もっとも、当時は「フォルクスワーゲンの高級版」という地味なイメージから抜け出せなかったのだが、こうした認識を決定的に変え、アウディを「先進的でスポーティなプレミアムブランド」に生まれ変わらせる牽引役となったのが1980年に発表されたフルタイム4WDのクワトロだった。

これ以降の躍進ぶりは皆さんもご存じのとおりで、アウディといえばクワトロ、クワトロといえばアウディといわれるほど認知度は高い。事実、ごく最近の統計でもグローバルな生産台数のほぼ半分がクワトロで、日本ではクワトロが半数を超えている模様。つまり、アウディを買うならクワトロを選んでおけば安心というわけだ。

でも、本企画は上限500万円のSUV選びである。その範囲で買えるそこそこサイズのアウディSUVとなると、たとえばQ3スポーツバックTFSIあたりがギリギリで、同車のクワトロには手が届かない。ところが、このFFのスポーツバックがなかなかいいのである。

画像: 現行Q3スポーツバックはガソリン+FF、ディーゼル+クワトロの2タイプしか用意されていない。

現行Q3スポーツバックはガソリン+FF、ディーゼル+クワトロの2タイプしか用意されていない。

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