2021年5月3・4日に静岡県富士スピードウェイで開催されたスーパーGT第2戦「たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」で、予選11番手からスタートしたAstemo NSX-GTが、FCY発動のタイミングにも助けられ勝利を飾った。

WedsSport ADVAN GR Supraがポール

スーパーGT第2戦が行われた快晴の富士スピードウェイ、グランドスタンドは間隔を空け全席指定となり観客数は制限された。GW中の開催ということもあり家族連れのファンも多く、予選日からささやかながら賑わいを見せていた。

予選Q2で最速タイムをマークしたのは19号車WedsSport ADVAN GR Supraの宮田莉朋、自身初のポールポジションを獲得した。前戦岡山では37号車KeePer TOM'S GR Supraの阪口晴南がポールを獲得しており、今回僅差でポールを逃した8号車ARTA NSXの福住仁嶺も含めた新世代のライバル対決もスーパーGTの魅力になりつつある。

画像: GW中の富士スピードウェイだがスタンドの観客は1/4程度か。

GW中の富士スピードウェイだがスタンドの観客は1/4程度か。

画像: ポールを獲得した宮田莉朋選手にマイクを向けるのは代役レポーターの小河諒さん。

ポールを獲得した宮田莉朋選手にマイクを向けるのは代役レポーターの小河諒さん。

画像: チームオーナーとして帯同するモリゾウ氏。

チームオーナーとして帯同するモリゾウ氏。

スタート直後に消えた富士マイスターのGT-R

第2戦は2年ぶりに500kmとなる長距離レース、110周で争われる。スタートではポールの19号車スープラが8号車NSX、38号車ZENT CERUMO GR Supraらに挟まれる形で順位を落としてしまう。1周を終えトップは8号車NSX、2番手には36号車au TOM'S GR Supraがポジションを上げる。19号車スープラは6位にまで下がり、23号車MOTUL AUTECH GT-Rのプレッシャーを受けながら3周目に。

しかしその直後、23号車GT-Rは大きく白煙を上げコースアウト。装着するミシュランタイヤが得意とする長丁場のレース、決勝でのパフォーマンスに大きな期待が寄せられていただけに残念なリタイアとなってしまった。

画像: 19号車スープラの加速が鈍ったこともあり3ワイド気味に1コーナーへ進入。

19号車スープラの加速が鈍ったこともあり3ワイド気味に1コーナーへ進入。

画像: 悔しさをにじませる23号車GT-RのR・クインタレッリ選手。

悔しさをにじませる23号車GT-RのR・クインタレッリ選手。

スーパーGT初導入となったFCYでレースが動く

23号車の回収作業後にSCが解除されると、36号車スープラが先頭に、2番手8号車NSXが着かず離れずといった500kmのディスタンスを見据えた駆け引きが始まりレースは膠着状態に。レース周回数110周では2回のピットインが予定されており、30周終了時に12号車カルソニック IMPUL GT-R、31周で17号車Astemo NSX-GTなど、予選で後方に沈んだチームが最初のピットストップを早めに行う。

一方、32周目となるコース上では38号車スープラのタイヤが外れるアクシデントが発生し、スーパーGT初のFCY(フルコースイエロー)が宣言される。全車両が80km/hに制限される中、その恩恵を受けたのがピット作業を終えコースに復帰した17号車NSX。その後FCY解除となり全車がピット作業を済ませると、36号車スープラ、8号車NSXの前に立ちトップへ浮上する。同じタイミングでピットインした1号車STANLEY NSX-GTも最後尾スタートから大きく順位を上げ、今回より戦列復帰となる牧野任祐が4位にまでポジションアップ。

画像: 予期しなかったFCYの恩恵を最大限に享受しトップに立つ17号車NSX。

予期しなかったFCYの恩恵を最大限に享受しトップに立つ17号車NSX。

画像: 山本尚貴から託された貯金を力走でキープした1号車NSXの牧野任祐。

山本尚貴から託された貯金を力走でキープした1号車NSXの牧野任祐。

3度目のFCYが生み出した逆転劇

68周終了時点でトップの17号車NSXが2度目のピットインするが、暫定首位となった36号車スープラは76周まで、またこれにより暫定トップとなった8号車NSXは78周までと最後のピットストップを引っ張る。給油時間が短かったこともあり、17号車NSXとほぼ同位置にコース復帰した8号車NSXは、NSX同士のバトルの末、ついに17号車を抜き去りトップに立つ。36号車スープラもそれに続き、トップ4は順番に8号車、36号車、17号車、そして14号車ENEOS X PRIME GR Supraが僅差で周回を続ける。

レース終盤の96周目、GT300マシンのトラブルによりこの日3度目のFCYが宣言される。だがコーナーポストの死角にいた8号車NSXは、イエローフラッグを見過ごしGT300マシンを抜いてしまいドライブスルーペナルティに。また36号車スープラは98周目のFCY解除時、加速しようという瞬間にマシントラブルが発生しストップ。これで首位に返り咲いた17号車Astemo NSX-GTが、14号車スープラの猛攻を凌ぎ切りトップチェッカーを受けた。
(PHOTO:井上雅行@webモーターマガジン)

画像: トップ4バトルはFCYにより一旦お預けとなるが、後にメンバーを入れ替えたバトルに。

トップ4バトルはFCYにより一旦お預けとなるが、後にメンバーを入れ替えたバトルに。

画像: 最終的には14号車、37号車、1号車の順で一塊となったセカンドグループ。

最終的には14号車、37号車、1号車の順で一塊となったセカンドグループ。

画像: KEIHINからAstemoへ、青から赤へカラーが変わっても速さは健在。

KEIHINからAstemoへ、青から赤へカラーが変わっても速さは健在。

スーパーGT第2戦 GT500クラス決勝結果

1位 17号車 Astemo NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
2位 14号車 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)
3位 37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/阪口晴南)
4位 1号車 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/武藤英紀/牧野任祐)
5位 3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
6位 39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
7位 19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
8位 8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
9位 12号車 カルソニック IMPUL GT-R(平峰一貴/松下信治)
10位 64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
11位 16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)
12位 24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/佐々木大樹)
13位 36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/坪井翔)
R 38号車 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
R 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)

画像: 今後しばらく会えません、マスクが外せるその日をお楽しみに。

今後しばらく会えません、マスクが外せるその日をお楽しみに。

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