2021年6月15日、フォルクスワーゲン グループ ジャパンが8代目となる新型ゴルフ(ゴルフ8)の日本導入を正式に発表した。8代目は2019年10月に欧州でフルモデルチェンジ、2021年2月9日には日本国内でも先行注文受付が開始され、その正式発表が待たれていた。新型のグレード展開は4つ、車両価格は291万6000円〜375万5000円に設定されている。

今後スタンダードになりそうな最新メカがぎっしり

1974年にデビューして以来、世界各国で累計3500万台以上が販売されたフォルクスワーゲン ゴルフがモデルチェンジして8代目へと進化した。

ゴルフはFFハッチバックのベンチマークとして代々語られてきたが、この8代目もまたこのセグメントの新しいスタンダードとして、「インテリジェント」、「電動化」、「コネクティッド」など、多くの革命的な内容を持っている。

外観は、低く伸びやかで、ダイナミックに見えるが、Cセグメントらしいボディサイズを維持して、全長4295mm×全幅1790mm×全高1475mmとなった。また、ヘッドライトがLEDテクノロジー(IQ.LIGHT)によって眼光鋭くなり、またグリルがシャープになったことで力強い印象となったが、基本のスタイリングはやはりいつものゴルフだ。「く」の字を描くような太いCピラーからリアフェンダーにかけての伝統のラインも守られ、先鋭的過ぎないように我慢した感もある。

画像: 8代目にフルモデルチェンジしたフォルクスワーゲン ゴルフ。写真は1.5 eTSI+7速DCTを搭載するeTSI スタイル。

8代目にフルモデルチェンジしたフォルクスワーゲン ゴルフ。写真は1.5 eTSI+7速DCTを搭載するeTSI スタイル。

インテリアは今回の変更でも重要な部分。デジタル化の波は運転席まわりの環境をすっかり変えて、センターパネルから物理的なスイッチを排除し、カーナビやオーディオ、エアコンなどは8.25インチのスクリーンをタッチして操作するようになり、ゴルフ伝統のシンプルな操作系はさらに大きく進化した。フォルクスワーゲンではこれを「イノビジョンコックピット」(=イノベーションコックピット)と呼んでいるが、この価格セグメントで完全にデジタル化されたインパネが標準装備されるのは初めてであり、今後はこうした装備がスタンダードとなっていくということだろう。

直感的な操作が可能なコックピットやインフォテインメントシステム、人とクルマがつながるコネクティッド技術、新しいアンビエントライト、ハーマンカードンのサウンドシステムは大きな魅力となりそうだ。

パワートレーンにはフォルクスワーゲンとして初めて48Vテクノロジーが採用された「eTSI」エンジンが搭載されることになった。「eTSI」はいわばマイルドハイブリッドシステム(MHEV)で、ベルト駆動式スタータージェネレーター、48Vリチウムイオンバッテリー、そして最新世代のTSIエンジンで構成されるもの。新型ゴルフでは、100psの1.0 eTSIと150psの1.5 eTSIが組み合わされるが、その走りとエコのパフォーマンスが楽しみだ。トランスミッションもシフトバイワイヤ化されたDSG(DCT)が採用されている。

画像: ラインアップは、1.0 eTSI搭載モデル(奥)と、1.5 eTSI(手前)のふたつ。

ラインアップは、1.0 eTSI搭載モデル(奥)と、1.5 eTSI(手前)のふたつ。

プラットフォームは先代と同様、エンジン横置き用モジュラープラットフォーム「MQB」を引き続き採用するが、何も変わっていないわけではなく、各コンポーネントは最新仕様にアップデートされている。サスペンションはフロントにマクファーソンを採用する一方で、リアには車両重量によってトレーリングアームと4リンクを使い分ける点は先代と同じだ。

グレード構成は、これまでの「トレンドライン」「コンフォートライン」「ハイライン」というラインアップを見直し、「eTSI アクティブベーシック」「eTSI アクティブ」「eTSI スタイル」「eTSI Rライン」の4つに変更。

「eTSI アクティブベーシック」はその名のとおりベーシックグレードという位置づけで、オプション選択肢が増える「eTSI アクティブ」ともに、100psの1.0 eTSIエンジンを搭載。上質感のある「eTSI スタイル」とスポーティな「eTSI Rライン」の2つには、150psの1.5 eTSIエンジンが組み合わされる。1.5 eTSIエンジンを搭載する「eTSI スタイル」「eTSI Rライン」のリアサスペンションには4リンクを採用する。

画像: ゴルフの伝統を継承したサイドデザイン。太いCピラーは「く」の字を描くようにリアフェンダーへつながる。1.5 eTSI+7速DCTを搭載するeTSI スタイル。

ゴルフの伝統を継承したサイドデザイン。太いCピラーは「く」の字を描くようにリアフェンダーへつながる。1.5 eTSI+7速DCTを搭載するeTSI スタイル。

「eTSI Rライン」にゴルフとして初めてプログレッシブステアリングを採用するのもトピックだろう。

運転支援システムでは、渋滞時から最大210km/hまで加減速の走行をサポートする「トラベルアシスト」や夜間の安全を大幅に向上させる「IQ.LIGHT LEDマトリクスヘッドライト」などの最新テクノロジーの採用がアナウンスされている。

ボディカラーはライムイエローメタリック(新色)、ドルフィングレーメタリック(新色)、ムーンストーングレー(新色)、キングスレッドメタリック(新色)、ピュアホワイト、アトランティックブルーメタリック、ディープブラックパール、オリックスホワイトマザーオブパールエフェクトの全8色が用意される。

新型フォルクスワーゲン ゴルフ ボディカラー

・ライムイエローメタリック(新色)
・ドルフィングレーメタリック(新色)
・ムーンストーングレー(新色)
・キングスレッドメタリック(新色)
・ピュアホワイト
・アトランティックブルーメタリック
・ディープブラックパール
・オリックスホワイトマザーオブパールエフェクト

新型フォルクスワーゲン ゴルフ ラインアップ

eTSI アクティブベーシック(1.0 eTSI+7速DCT):291万6000円
eTSI アクティブ(1.0 eTSI+7速DCT):312万5000円
eTSI スタイル(1.5 eTSI+7速DCT):370万5000円
eTSI Rライン(1.5 eTSI+7速DCT):375万5000円
※車両価格はすべて税込み

ちなみに、本国ではすでにGTI、GTD、GTE、R、ヴァリアント(ホイールベースがハッチバックと異なる)もすでに登場している。どのモデルが、いつ日本市場に導入されるのか、気になるファンも多いだろうが、今回の発表では明言されなかったが、2021年内には何かしらの動きがあるのではないかと予想される。また、従来ラインアップされていた電気自動車「e-ゴルフ」は「ID.3」としてゴルフファミリーから独立することになる。

フォルクスワーゲン ゴルフ eTSI アクティブ 主要諸元

●全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1310kg
●エンジン:直3 DOHCターボ+モーター
●排気量:999cc
●最高出力:81kW(110ps)/5500rpm
●最大トルク:200Nm/2000-3000rpm
●モーター最高出力:9.4kW(13ps)
●モーター最大トルク:62Nm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・47L
●WLTCモード燃費:18.6km/L
●サスペンション:ストラット/トレーリングアーム
●タイヤサイズ:205/55R16
●ラゲッジスペース容量:380-1237L
●車両価格:312万5000円

フォルクスワーゲン ゴルフ eTSI スタイル 主要諸元

●全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1360kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●排気量:1497cc
●最高出力:110kW(150ps)/5000-6000rpm
●最大トルク:250Nm/1500-3500rpm
●モーター最高出力:9.4kW(13ps)
●モーター最大トルク:62Nm
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:FF
●燃料・タンク容量:プレミアム・51L
●WLTCモード燃費:17.3km/L
●サスペンション:ストラット/4リンク
●タイヤサイズ:225/45R17
●ラゲッジスペース容量:380-1237L
●車両価格:370万5000円

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