2015年にシトロエンから分離独立したパリ発のラグジュアリーブランドがDS。2021年後半から始まる新型車の投入で認知度を上げていく戦略だ。(Motor Magazine2021年7月号より)

着実に進むDSブランドのラインアップ強化

パリ発のプレミアムブランドがDS。2020年の日本におけるアクションは、BEVモデルのDS3クロスバック Eテンスが追加されたのみ。ラインアップもDS3クロスバックとDS7クロスバックの2モデルだけといささか寂しい状況ではあった。

それでも2020年度の国内販売実績は、対前年比100.4%と健闘。そして2021年はDS7クロスバックのプラグインハイブリッドが国内市場に投入され、秋にはフラッグシップサルーンのDS9もいよいよ国内導入を開始されそうだ。

DS9は2020年2月に本国で発表され、同年9月から欧州で発売されている新生DSブランドとしては初の新型セダン。ライバルにはメルセデス・ベンツ EクラスやBMW 5シリーズ、アウディ A6など手ごわい顔ぶれが揃う。

また2021年2月には、本国で第4のDSブランド車となるDS4も発表された。「プレミアムCセグメントの再定義」を掲げて開発された、スタイリッシュなハッチバックだ。日本への導入時期は未定ながら、遅くとも2022年秋までには発表されるはずだ。

日本市場での認知はこれからといった感もあったDSだが、着々と進むラインアップの強化で、ドイツ御三家と肩を並べるのはそう遠い日のことではなさそうだ。(文:Motor Magazine編集部 阪本 透)

画像: DS9。いわゆるジャーマン御三家のEセグに真っ向勝負を挑むプレミアムサルーン。ボンネットを縦に貫く、セイバー(サーベルの意)と呼ばれるクル・ド・パリ模様の装飾がDSらしさをアピールする。

DS9。いわゆるジャーマン御三家のEセグに真っ向勝負を挑むプレミアムサルーン。ボンネットを縦に貫く、セイバー(サーベルの意)と呼ばれるクル・ド・パリ模様の装飾がDSらしさをアピールする。

DS7クロスバック Eテンスの速さはケタ違い

プジョーともシトロエンとも少し趣が異なるフランスのラグジュアリーブランド「DS」。そのフラッグシップがDS7クロスバックである。日本への導入は2018年だが、そこに今回、新たにプラグインハイブリッド4WDモデルとなるDS7クロスバックEテンスが加わった。ちなみにEテンスとは、PHEVやBEVといったDSの電動化テクノロジーの総称である。

DS7クロスバックEテンスは、フロントに110ps、リアに112psを発生するモーターを搭載、1.6L直4ターボエンジンとの組み合わせでシステム総合出力300ps/520Nmというパフォーマンスの持ち主である。

画像: DS7クロスバックEテンス。電動化モデルであってもこれみよがしな主張はなし。

DS7クロスバックEテンス。電動化モデルであってもこれみよがしな主張はなし。

ディメンジョンは、純ガソリン車のDS7クロスバックと同じだが、車両重量は、リチウムイオンバッテリーとふたつのモーターを追加で搭載しているぶん、370kg重い1940kgとなっている。そのバッテリーの容量は13.2kWh。EV走行距離はWLTCモードで56kmとなる。

2トン近い重さはネガに思えるかもしれないが、実際にハンドルを握るとそうしたことは微塵も感じられなかった。走りに鈍さはまったくないのである。逆にレスポンスに優れ、スポーティな印象である。それは0→100km/h加速データにも表れていて、純エンジン車のDS7クロスバックの8.2秒に対して、Eテンスは5.9秒となり、実に3秒も速い。

これは圧倒的な差である。純エンジン車のDS7クロスバックのオーナーはEテンスに乗ったらその俊敏さに驚き、同じクルマだとは思わないだろう。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充)

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