モーターマガジン社が2021年3月26日に発行したムック、GT memories 6「Z32フェアレディZ」が好評を得ている。ここでは、そのダイジェスト版を4回に渡って改めて紹介する。1989年7月に登場し2000年まで駆け抜けた日本の誇るスポーツカー「Z32フェアレディZ」の魅力を見ていこう。連載第2回の今回は、1993年に登場した中期型を中心に解説する。(「GT memories 6 Z32フェアレディZ」より一部抜粋)。

リアにウイング装着! 目に見えない部分も熟成

Z32フェアレディZは、1993年10月8日に一部改良された。その改良は運動性能、仕様・装備の向上と環境への対応を狙いとした。運動性能の向上に関しては、ターボエンジン搭載車に電動スーパーハイキャスを採用したことが挙げられる。従来の油圧式から電動モーター式に変更したのに加え、横G応動制御機能を追加したことで高速走行時の高い操縦安定性を実現している。

エクステリアでは、ターボエンジン搭載車にブーメランタイプのリアウイングを採用したのが注目される。初期型の控えめなスタイルを一新し、高速操縦安定性を高めたのはもちろん、よりスタイリッシュなものとなった。このリアウイングは、ターボレス仕様の場合はオプション設定となっていた。

画像: 1993年仕様からが、いわゆる中期型となる。エクステリアではっきりわかる違いはリアスポイラーがブーメラン形状のウイングとなったことだ。

1993年仕様からが、いわゆる中期型となる。エクステリアではっきりわかる違いはリアスポイラーがブーメラン形状のウイングとなったことだ。

1994年10月には、フェアレディZの誕生25周年を記念した「バージョンS」シリーズも発売された。これはスポーツ感覚を高めた仕様と位置づけられ、走りのための装備はそのままに、リアスポイラー、専用スポーツシートなどの装備を採用するとともに、オーディオレス仕様の設定やマニュアルエアコンを採用するなどの装備の簡素化を図った。

2by2 Tバールーフ車には「バージョンS」をベースにBBS社製16✕7.5JJの鍛造アルミホイール、レカロシート、ミラーコートTバールーフ、電子制御式アクティブサウンドシステムなど装備を充実させた「バージョンSレカロ」を設定している。

安全面でも進化もあった。このときから運転席SRSエアバッグシステムを全車標準装備とし、現代的なものとなったのだ。

画像: フェアレディZの誕生25周年を記念した「バージョンS」。不要な装備を省いたスポーティな仕様とされた。

フェアレディZの誕生25周年を記念した「バージョンS」。不要な装備を省いたスポーティな仕様とされた。

日産 フェアレディZ 300ZXツインターボ 2by2 主要諸元

●全長×全幅×全高:4525×1800×1255mm
●ホイールベース:2570mm
●車両重量:1570(1580)kg
●エンジン:V6 DOHC+ツインターボ
●排気量:2960cc
●最高出力:280ps/6400rpm
●最大トルク:39.6kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT(4速AT)
●駆動方式:FR
●10モード燃費:8.2(7.5)km/L
●車両価格(税込):456万円(468万円)
※1993年10月時点の仕様/カッコ内はAT仕様

日産 フェアレディZ バージョンS 2by2 主要諸元

●全長×全幅×全高:4525×1800×1255mm
●ホイールベース:2570mm
●車両重量:1470(1480)kg
●エンジン:V6 DOHC
●排気量:2960cc
●最高出力:230ps/6400rpm
●最大トルク:27.8kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT(4速AT)
●駆動方式:FR
●10モード燃費:8.7(8.0)km/L
●車両価格(税込):325万円(337万円)
※1994年10月時点の仕様/カッコ内はAT仕様

▶︎▶︎▶︎【GT memories 6 ダイジェスト03】へ、つづく

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