2021年7月18日、WEC世界耐久選手権第3戦モンツァ6時間がイタリア・モンツァで行われ、ポールポジションからスタートした7号車トヨタGR010 HYBRIDがアルピーヌとの接戦を制して今季初勝利をあげた。開幕から2連勝でのぞんだ8号車はテクニカルトラブルに見舞われ失速したが、トヨタは開幕から3連勝を飾ることになった。

7号車トヨタ優勝も、8号車はトラブルで大きく後退

フロントロウを独占して迎えた決勝レース、トヨタGR010 HYBRIDは意外な苦戦を強いられた。序盤はトヨタの2台がレースをリードしたが、スタートから1時間半ほどが経過し、8号車がハートレーへと交代した直後、状況は一変した。

8号車は燃圧系統のトラブルに見舞われてピットイン。21位で一旦コースに復帰したが、すぐに車両左フロント部の破損のために更なるピット作業を強いられ、8号車は12周遅れとなり上位争いから脱落することになってしまった。

レース折り返しとなる3時間経過時点で、トップは7号車トヨタ。ただ、23秒差で36号車アルピーヌ、そこから1秒後方に709号車グリッケンハウスという接戦模様で、なかなか独走状態にはならない。

レース残り2時間には、首位を走る7号車トヨタがなんとコース脇にストップ。突然システムエラーが出たためで、小林の的確な再起動作業でなんとかレースに復帰するが、ここからトヨタとグリッケンハウス、アルピーヌの接近戦となっていく。

まず709号車のグリッケンハウスの首位に立つが、トラブル修復のためのピットインで、小林の7号車トヨタが再び首位を奪還。しかしそれもつかの間、今度は7号車トヨタがタイヤのパンクに見舞われて、アルピーヌがレースをリードすることになる。

首位アルピーヌを追う形になった7号車トヨタは、小林が最速ラップを更新するハイペースでアルピーヌとの差を詰めて、またまた首位を奪還。ただ7号車トヨタには最後の給油が必要で、この時点ではまだ勝負の行方は不透明だったが、運良くレース残り34分でフルコースイエローが出て首位の座を着実なものとすることができた。

こうして7号車トヨタが今季初勝利をあげたが、8号車トヨタは前半に後退した後、さらに燃料系トラブルにも襲われ43周遅れでのフィニッシュとなった。

この結果、チーム選手権でトヨタはアルピーヌに対するリードを30ポイントに広げたが、ドライバーズ選手権の争いは激しさを増すこととなり、8号車と7号車の差は6ポイントに縮まった。

画像: 今季初優勝を飾った7号車トヨタ GR010ハイブリッド、左から小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス。

今季初優勝を飾った7号車トヨタ GR010ハイブリッド、左から小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス。

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