クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車アルファロメオ ステルヴィオを紹介していこう。今回は、いくつもの取材に同行するなど活躍の機会が多く、走行距離がしっかりと伸びた。(Motor Magazine 2020年11月号より)

いよいよMMステルヴィオ号最後の長期レポート・・・の「はず」だ

とてつもなく暑かった、という印象が強く残る2020年夏も、9月下旬になってようやく終わりを感じさせてくれるように思える。そして、MMステルヴィオ号の長期テストレポートも、今回で最終回を迎えることとなった。

思い返すと、2018年12月(本誌だと2019年2月号)からまずステルヴィオ ファーストエディションのレポートが始まった。これは日本導入を記念して発表されたモデルで、2Lガソリンターボエンジン仕様のスポーティな味わいがいまも強い印象となって残っている。そして2019年5月(本誌は2019年7月号)から、ディーゼルターボエンジンを搭載する現在の長期テスト車、2.2ターボディーゼルQ4にスイッチ。合わせて現在までに22回、ステルヴィオのレポートを担当することができた。

ここまでフィーリングが変わるものかと驚かされた熟成度

前回で、アルファロメオの新展開グレード、スプリントのハンドルを握ることができたが、ステルヴィオ/ジュリアのどちらも、デビューモデルと比較すると格段に熟成が進められていることを実感させられた。新しいステルヴィオ2.2ターボディーゼルQ4スプリントでは、インテリア面の進化も好ましかったが、何よりエンジンや足まわりにおけるスムーズさの向上ぶりに強い感銘を受けた。ここまでフィールが変わるのか、と驚かされた次第だ。

ただ、担当者にはどうしても身贔屓をしてしまうところがあり、慣れ親しんだ初期モデルのMMステルヴィオ号の方に「ステルヴィオらしさ」を強く感じてしまう。アイドリング時をはじめとして、ディーゼルエンジンらしく賑やかなエンジン音、時には跳ねるような印象も受ける明確な乗り味。また小回りしようとハンドルを大きく切ると、アウト側の前輪が外側へと引っ張られるかのように思える独特な動き。どれもみな、強烈な個性として担当者には染み込んでいる。そして最新型では、それらがすべて快適に進化している。

これは、もちろん喜ぶべきことだろう。だが初期型をじっくりと乗り込んだ担当者としては、そこにこそアルファロメオらしさと楽しさを感じていたので、洗練された最新モデルたちには少し物足りなさを覚えるのも、事実なのだ。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁)

■第17回/2020年8月25日~9月25日(17カ月目)のデータ
・オドメーター:2万5396km
・走行距離:2584km
・給油量:177.3L
・実燃費:14.6km/L

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