2021年7月31日、F1第11戦ハンガリーGP予選が行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが第4戦スペインGP以来となる久々のポールポジションを獲得した。2位にもバルテリ・ボッタスが入り、メルセデスがフロントウを独占。レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが3番手、セルジオ・ペレスが4番手と2列目を確保して、メルセデス勢を追う。

メルセデスの作戦成功、ミディアムタイヤで最前列スタート

前日に続き気温が高い中で、タイヤの温度管理が厳しいコンディションとなる中、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが3番手、セルジオ・ペレスが4番手、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー が5番手と好位置を確保した。

ただ、優勝争いという点から考えると、メルセデス勢に先行された形となった。

ポイントのひとつは、決勝スタートのタイヤを決めるQ2。レッドブル・ホンダとメルセデスはまずミディアムタイヤで1回目のアタックを行ったが、赤旗中断後のセッションの最後でトラックが急速に良化、ここでレッドブル・ホンダの2台はソフトタイヤに履き替えてベストタイムを出してしまった。決勝の天候や予選の状況をふまえての作戦変更だったと思われるが、メルセデス勢の2台はミディアムタイヤでなんとかQ3進出を決めて、ギャンブルに成功した。

これでメルセデスの2台のみが、ミディアムタイヤで決勝レースをスタートすることになった。

もうひとつのポイントは、決勝グリッドのタイヤを決めるQ3。ミディアムタイヤで決勝レースをスタートできるメルセデスにとって、レッドブル・ホンダの前にいることが重要となる。ソフトタイヤのレッドブル・ホンダのほうがスタート1周目では有利で、しかもオーバーテイクが難しいコースで、レッドブル・ホンダに先行されるとやっかいなことになるからだ。

Q3は当然、全車ソフトタイヤで走ることになるが、1回目のアタックでまずメルセデスの2台がリードする。そして残り3分を切ったところで最後のアタックへと向かうが、ここで小さな事件が起こった。レッドブル・ホンダ勢はメルセデスの後方でのコースインとなり、アウトラップで極端にペースを落としたメルセデス勢に引っかかるような形になるのだ。ハミルトンは残り5秒で最後のアタックに入り、フェルスタッペンはギリギリでアタックに入れたが、最後尾だったペレスは最終アタックに入ることができなかった。

結局、メルセデスの作戦はまんまと成功し、予選はメルセデスのルイス・ハミルトンがトップ、バルテリ・ボッタスが2番手で終了。レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが3番手、セルジオ・ペレスが4番手と2列目を確保して、メルセデス勢を追うことになった。

決勝に向けてメルセデスが有利な状況だが、レッドブル・ホンダ逆転の可能性がないかと言えば、そうでもない。

画像: メルセデスが決勝をミディアムでタイヤスタートすることにこだわったのに対し、レッドブル・ホンダはソフトタイヤスタートに作戦変更。これがどう出るか。

メルセデスが決勝をミディアムでタイヤスタートすることにこだわったのに対し、レッドブル・ホンダはソフトタイヤスタートに作戦変更。これがどう出るか。

タイヤを供給するピレリは「ハンガリーGPは1ストップ戦略と2ストップ戦略のどちらのアプローチも有効ですが、理論上は2ストップ戦略が最速です。2ストップでは、最後の2スティントでミディアムタイヤに切り替えるか、場合によってはソフトタイヤを使う潜在的なオプションもあります。ただし、ハンガロリンクは追い越しが難しいため、1ストップ戦略も有効となります。ソフトタイヤでスタートするドライバーには幅広い戦術オプションが考えられますが、ミディアムタイヤは柔軟性が高くメリットがあります。どちらが正解か、おそらく天候が決定的な要因になるでしょう。レッドブル・ホンダとメルセデスは異なるアプローチを採用しているため、グリッドの1列目と2列目からその戦いがどのように展開されるか楽しみです」と分析する。

予選終了後、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは「レースウイーク全体でメルセデスに少し後れを取っていましたが、それが予選でも同様になってしまいました。最後のアタックではタイムを落としてしまいましたが、もう少し速いアウトラップができればバランスはもっとよかったはずですが、それでポールポジションが獲れたとは思っていません。決勝は暑くなるはずなので、ソフトタイヤでのスタートというのもいい戦略になると思います。ソフトはミディアムほどもちませんが、スタートでは役に立つはずです」とコメント。

画像: 決勝レースはソフトタイヤで2列目3番グリッドからスタートすることになったレッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペン。

決勝レースはソフトタイヤで2列目3番グリッドからスタートすることになったレッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペン。

セルジオ・ペレスは「予選を通じて、マシンの感触が確かによくなっていきました。可能性を感じていたので、最後のアタックができなかったことは本当に残念です。十分な余裕があると考えていましたが、残念ながらそうならずにアタックができませんでした。メルセデス勢が非常に強力だと分かっていましたが、僕らは異なる戦略を採りますし、スタートも楽しみです。このコースでは1つか2つのコーナーで上手くいけば、大きくラップタイムを向上させられます」と語っている。

画像: Q3の最後のアタックを行えなまま、予選を4番手で終えたレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレス。

Q3の最後のアタックを行えなまま、予選を4番手で終えたレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレス。

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