2021年9月4日、大観衆がスタンドをオレンジ色に染め上げる中、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が今季7度目のポールポジションを獲得、母国GP優勝に向けて好位置につけた。ルイス・ハミルトン(メルセデス)は最後のアタックで0.038秒差まで迫り2番手。ホンダ勢はピエール・ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)が4番手、角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)は15番手。セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)はまさかのQ1敗退となった。

走行が進むごとに路面状況が大きく改善

コース幅が狭くアップダウンの激しいザントフォールト・サーキットの予選は、天候は安定していたものの、タイムアタックのタイミングが悩ましいものとなった。

トラフィックやアクシデントの発生を考えると早めにタイムを出しておきたいところだが、走行が進むごとに路面状況も大きく改善されていくため、後からアタックしたマシンが大幅にタイムを短縮するという状況になり、セッションの最後は大渋滞。これがいくつかのサプライズを起こすことになった。

Q1ではペレスがピット出口から大渋滞に巻き込まれて最後のアタックに間に合わず敗退。セバスチャン・ヴェッテル(アストンマーティン)もターン13でコース上の混雑に引っかかってしまう。さらにQ2ではコースアウトによる2度にわたる赤旗中断も発生し、新品ソフトでアタックしていた角田が敗退、このところ好調のランド・ノリス(マクラーレン)もQ3進出を逃した。

また、メルセデス勢はミディアムタイヤでQ2クリアを狙ったが、路面向上によるソフトタイヤ勢のタイムアップが大きく断念。結局、他チームよりも周回の多いソフトタイヤで決勝スタートすることとなってしまった。

Q3ではフェルスタッペンが最初のアタックで1分8秒台のタイムをマーク。2度目のアタックではさらにタイムを上げて、狙いどおりにポールポジションを獲得。フェルスタッペンにとっては今季7度目、通算10回目のポールとなった。

画像: オランダGPの予選で今季7度目のポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。熱狂的な声援を味方につけて、快走を見せた。

オランダGPの予選で今季7度目のポールポジションを獲得したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。熱狂的な声援を味方につけて、快走を見せた。

注目は最後のアタックでフェルスタッペンに0.038秒差まで迫ったハミルトン。この週末はあまり目立たない位置にいたが、最後にきっちりとタイムを上げてきた。

一方、グランプリの台風の目になりそうなのが、上位争いの常連となってきたガスリー (予選4番手)とフェラーリのふたり、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツ。思い切った戦略がはまれば、優勝も見えてきそうだ。さらに、このコースが合っているアントニオ・ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ)も不気味な存在だ。

なお、トップ10に入ったドライバーはすべてソフトタイヤでスタートする。

予選終了後、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは「ポールポジションを獲得できて最高の気分ですし、それがホームレースであればさらに満足感は高まるものです。フィニッシュラインを通るたびに、みんな熱狂的な声援を送ってくれましたし、グランドスタンドで楽しんでいる皆さんを見ることができたのは素晴らしいことでした。フリー走行からこのコースでのドライビングは楽しかったのですが、予選で燃料搭載量を減らしてのアタックはものすごかったです。セクター2やバンクのあるコーナーでは全開で、その感覚がとてもよく、大いにドライビングを楽しみました。予選は赤旗によって難しい状況もありました。最終アタックではタイムを失った場所が2カ所ありました。ターン3出口のバンピーな部分で2段シフトアップをしてしまったこと、そして最終コーナーを抜けたところでDRSが開かなかったことです。DRSについては原因を確認していく必要があります。ただ、幸いにもこのラップのタイムでポールポジションに届きました。このコースではオーバーテイクが非常に難しく、前からスタートできることは重要なので、明日はスタートがカギになりますし、タイヤをケアする必要もあります。また、新しいコースでは波乱が起きやすいので、その点も注意が必要です。メルセデスは強いと思うので、明日も思っているほどすんなりとはいかないはずです」とコメント。

画像: ポールを獲得しながら「最終アタックでは2カ所でタイムをロスした」と振り返るフェルスタッペン。オーバーテイクの難しいサーキットで、スタートラインから1コーナーまでの距離も短いだけに、このポールポジションには大きな意味がある。

ポールを獲得しながら「最終アタックでは2カ所でタイムをロスした」と振り返るフェルスタッペン。オーバーテイクの難しいサーキットで、スタートラインから1コーナーまでの距離も短いだけに、このポールポジションには大きな意味がある。

タイヤを供給するピレリは「72周で行われるオランダGP決勝は、路面温度やタイヤの劣化にもより、2ストップと1ストップのどちらが速いか不透明です。ただ、ザントフォールトはオーバーテイクが難しいため、チームは可能であれば1ストップで行きたいと考えるでしょう。全車ソフトタイヤでのスタートとなりますが、最適な1ストップ戦略はソフトタイヤあるいはミディアムタイヤでスタートしてハードタイヤへの交換と想定しています。気温が上がるとタイヤの劣化が大きくなり、ソフトからミディアムタイヤの1ストップは難しいかもしれません。予選は赤旗中断により、全体にいくつかのサプライズがありました。またセッションをとおして、路面がどんどん良くなっていくことも確認できました。レース後半、ドライバーが何か違うことをすることに賭ける余地もありそうです」と分析する。

F1第13戦オランダGPの決勝は9月5日日本時間22時(現地時間15時)に開始される。

2021年F1第13戦オランダGP予選 結果

1位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)1:08.885
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)1:08.923
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)1:09.222
4位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)1:09.478
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)1:09.527
6位 55 C.サインツ(フェラーリ)1:09.537
7位 99 A.ジョビナッティ(アルファロメオ・フェラーリ)1:09.590
8位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)1:09.933
9位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)1:09.956
10位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)1:10.166
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15位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)
16位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)

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