2021年9月10日、F1第14戦イタリアGPがモンツァで開幕する。サマーブレイク明け3連戦の最終戦は前戦オランダGPとはまた違ったタイプの超高速サーキットで行われる。欧州ラウンドもこれで終了、シリーズはいよいよ終盤に向かっていく。注目は2連勝中のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。ここで連勝を伸ばせば一気に勢いに乗る。またイタリアGPでは史上2度目となる「スプリント予選」レースが行われる。

金曜日朝のフリー走行を終えると、いきなり予選が始まる

F1史上初めてイギリスGPで行われた「スプリント予選」が、今週のイタリアGPでも実施される。スプリント予選とは、決勝の前に別にスプリントレースを行うというもの。金曜日の午後にこのスプリントレースのグリッドを決める予選を行い、その順位をもとに土曜日の午後に約100kmのレースを戦い、その結果によって決勝のスターティンググリッドが決定される。つまり、このスプリントレースが「本当の予選」ということになる。

このスプリント予選をトップ3でフィニッシュしたドライバーにはそれぞれ3、2、1のポイントが与えられ、スプリント予選後のマシンの修復は可能という特別ルールも加えられている。予選はソフトタイヤのみを使用、スプリント予選ではタイヤを自由に選択できタイヤ交換の義務もない。決勝でもスタートタイヤを自由に選択できるが、チームは金曜日朝の1回のフリー走行だけで、いきなり予選が始まるレースフォーマットに対応する必要がある。

画像: イタリアGPが行われるモンツァ・サーキット。イタリアGPは欧州ラウンドの最終戦となる。

イタリアGPが行われるモンツァ・サーキット。イタリアGPは欧州ラウンドの最終戦となる。

ちなみに予選→スプリント予選が初めて行われたイギリスGPでは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)が予選でトップタイムをマークしたが、スプリント予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がトップフィニッシュを飾りポールポジションを獲得。そして決勝では2台が接触するアクシデントが起きた。

タイトル争いは現在、ドライバーズ部門はフェルスタッペン(224.5点)とハミルトン(221.5点)、コンストラクターズ部門は メルセデス(344.5点)と レッドブル・ホンダ(332.5点)の一騎討ちとなっている。なお、今シーズンは当初の予定より1戦少ない全22戦が行われる見通しとなってきている。

2021年F1ドライバーズランキング(第13戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ) 224.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)221.5
3位 V.ボッタス(メルセデス) 123
4位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス) 114
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)108
6位 C.ルクレール(フェラーリ) 92
7位 C.サインツ(フェラーリ) 89.5
8位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)66
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13位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)18

2021年コンストラクターズランキング(第13戦終了時)

1位 メルセデス 344.5
2位 レッドブル・ホンダ 332.5
3位 フェラーリ 181.5
4位 マクラーレン・メルセデス 170
5位 アルピーヌ・ルノー 90
6位 アルファタウリ・ホンダ 84

4本のストレートをコーナーでつないだ超高速コース

イタリアGPが開催されるモンツァサーキットは、4本のストレートを高速コーナーでつないだシンプルなコース形態で、最高速、平均速度とも今シーズンのF1の中で最も速い。最終コーナーのパラボリカを200km/hで駆け抜けた後、ホームストレートで340km/hに達し、ターン1で80km/hまで減速する。

3つのシケインが設けられてはいるが、長いストレートからのフルブレーキング、立ち上がってフル加速という繰り返しで、意外とオーバーテイクは難しく、ここでもスターティンググリッドが重要となる。ここでのポイントはパワーとなるが、ドラッグの少ない薄いウイングを装着してトップスピードを稼ぐため、ブレーキやタイヤへの負荷も大きい。

モンツァは1922年に完成したクラシックコースで、開業当初オーバルコースとロードコースの組み合わせとしていたレイアウトの名残を、広いホームストレートに見ることができる。(オーバルコースのバンク部分はいまも歴史遺産として保存されている)。

画像: モンツァ・サーキットの特徴を象徴する長いホームストレート。

モンツァ・サーキットの特徴を象徴する長いホームストレート。

画像: モンツァ・サーキットのコース図。4本のストレートを高速コーナーでつないだシンプルなコース形態。コース全長は5793m。

モンツァ・サーキットのコース図。4本のストレートを高速コーナーでつないだシンプルなコース形態。コース全長は5793m。

昨年のイタリアGPは、ハミルトンの独走から一転、大混乱のレースとなった。ピットレーン入口近くに1台がマシンを止めたことからセーフティカーが導入されたが、ピットレーンクローズドのシグナルをハミルトンが見落としてピットインして10秒のストップ&ゴーペナルティが課せられてしまう。さらにこのセーフティカー明け直後にシャルル・ルクレール(フェラーリ)がクラッシュして赤旗中断。このチャンスを生かしたのがピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ) だった。ピットレーンクローズド直前にタイヤ交換を済ませていたガスリーは、レースが再開すると一気にトップに躍り出てそのままフィニッシュ、初優勝を飾った。

ハミルトンは結局7位。フェルスタッペンはパワーユニットトラブルでリタイアとなっている。

画像: 昨年のイタリアGPではピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が優勝。表彰台のシーンは記憶に新しい。

昨年のイタリアGPではピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)が優勝。表彰台のシーンは記憶に新しい。

画像: 昨年のイタリアGPの各ドライバーのタイヤ戦略。赤旗中断後のタイヤ選択も大きなポイントになった。

昨年のイタリアGPの各ドライバーのタイヤ戦略。赤旗中断後のタイヤ選択も大きなポイントになった。

【参考】2020年第8戦イタリアGP 決勝 結果

1位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)53周
2位 55 C.サインツ(マクラーレン・ルノー)+0.415s
3位 18 L.ストロール(レーシングポイント・メルセデス)+3.358s
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・ルノー)+6.000s
5位 77 V.ボッタス(メルセデスAMG)+7.108s
6位 3 D.リカルド(ルノー)+8.391s
7位 44 L.ハミルトン(メルセデスAMG)+17.245s
8位 31 E.オコン(ルノー)+18.691s
9位 26 D.クビアト(アルファタウリ・ホンダ)+22.208s
10位 11 S.ペレス(レーシングポイント・メルセデス)+23.224s
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15位 23 A.アルボン (レッドブル・ホンダ)+37.533s
リタイア 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

では、今年のイタリアGPはどうなるのだろうか。ここまでのグランプリを見る限り、レッドブル・ホンダとメルセデスAMGの戦いが見所となるが、2連勝中のフェルスタッペンがここでも勝利をあげることができれば、タイトル争いに向けて大きな弾みとなりそうだ。

F1第14戦イタリアGPは、9月10日金曜日14時30分(日本時間21時30分)からのフリー走行1回目で幕を開ける。予選は9月10日18時(日本時間9月11日01時)、スプリント予選は9月11日16時30分(日本時間23時30分)、決勝は9月12日15時(日本時間22時)に開始される。

2021年F1第14戦イタリアGP タイムスケジュール

フリー走行1回目:9月10日14時30分〜15時30分(日本時間21時30分〜22時30分)
予選:9月10日18時〜19時(日本時間9月11日01時〜02時)
フリー走行2回目:9月11日12時〜13時(日本時間19時〜20時)
スプリント予選(18周):9月11日16時30分〜17時(日本時間23時30分〜24時)
決勝(53周):9月12日15時〜(日本時間22時〜)

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