2021年9月12日、F1第14戦イタリアGP決勝がミラノ近郊のモンツァ・サーキットで開催され、マクラレーン・メルセデスのダニエル・リカルドが優勝。2位にはチームメイトのランド・ノリスが入り、マクラーレンが1-2フィニッシュを達成。3位にはメルセデスのバルテリ・ボッタスが入っている。

フェルスタッペンとハミルトンがアクシデントにより無得点

第10戦イギリスGPでルイス・ハミルトン(メルセデス)がマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)を弾き飛ばしたアクシデントと同様、今後に大きな禍根を残しそうな出来事がまたも起きた。

衝撃的な接触劇が起きたのは、ハミルトンがタイヤ交換を終えた26周目。ピットアウトしたハミルトンの後方から2周前のタイヤ交換時のピットミスで遅れをとっていたフェルスタッペンが急接近し、狭い第1シケインで両者は接触。フェルスタッペンのマシンがハミルトンに乗り上げる形で両車がコース外のグラベルにストップしてしまった。

どちらも再スタートは叶わずにここでリタイア。選手権ポイントはフェルスタッペンがハミルトンを5点リードしたままだが、フェルスタッペンに次戦3グリッド降格のペナルティが課せられた。

レース後、ハミルトンは「あそこで突っ込めば、どうなるかはわかっていたはず」、フェルスタッペンは「彼はピット出口からすでに僕にスペースを与えない動きを取り始め、そのまま1コーナーに進入していたためスペースがなく、トラック上の緑色の部分を走行せざるを得なかった」とコメントするなど、早くも舌戦模様となっている。

マクラーレンが1-2で9年ぶり勝利、脅威の直線スピードで守りきる

フェルスタッペンとハミルトンの事故の遠因となったのが、前日のスプリント式予選から直線スピードの速さを見せつけていたマクラーレンの2台だった。

まずスタートでリカルドがフェルスタッペンを、ノリスがハミルトンを抑える思惑通りの展開に持ち込み、そのまま抜かれることなくタイヤ交換へ。第2スティントではフェルスタッペンとハミルトンのアクシデントによりリカルドが首位を固め、ノリスも後続の追撃を振り切って1-2体制で歓喜のフィニッシュに飛び込んだ。

レッドブル在籍時の2018年以来の勝利を挙げたリカルドは、「昨日から上手くいっていたけど、まさかレースのスタートからフィニッシュまでずっとリードできるとは思わなかった。クルマは本当にスピードがあって、フェルスタッペンを抑えることができた。それが勝因」と笑顔を弾けさせた。

画像: 久しぶりの優勝に笑顔を弾けさせたダニエル・リカルド(マクラーレン・メルセデス)。2018年モナコGP以来の優勝で、最終ラップにはファステストラップも記録し26点を獲得した。

久しぶりの優勝に笑顔を弾けさせたダニエル・リカルド(マクラーレン・メルセデス)。2018年モナコGP以来の優勝で、最終ラップにはファステストラップも記録し26点を獲得した。

フェルスタッペン以外のホンダ製パワーユニット搭載車勢は、レッドブルのセルジオ・ペレスが3位でフィニッシュしたものの5秒ペナルティで5位。

アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーはレコノサンスラップで異常が発生、これを修復してスタートしたものの1周を終えてリタイア。角田裕毅にもグリッド上で問題が発覚、こちらはスタートに間に合わずそのままリタイアとなった。現在、原因を調査中だ。なお、アルファタウリは来季2022年シーズンもガスリーと角田裕毅を起用すると発表している。

画像: イタリアGPのタイヤ戦略。ミディアムタイヤとハードを使った1ストップが主流となった。

イタリアGPのタイヤ戦略。ミディアムタイヤとハードを使った1ストップが主流となった。

イタリアGPで後半戦の皮切りとなった3連戦が終了。次戦第15戦ロシアGPは、9月24日にソチのソチ・オートドローモで開幕、26日に決勝が行われる。

2021年F1第14戦イタリアGP決勝 結果

1位 3 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)53周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+1.747s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+4.921
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+7.309s
5位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+8.723s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ)+10.535s
7位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス) +15.804s
8位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+17.201s
9位 63 G.ラッセル(ウイリアムズ・メルセデス)+19.742s
10位 31 E.オコン (アルピーヌ・ルノー) +20.868s
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リタイア 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
リタイア 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

2021年F1ドライバーズランキング(第14戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)226.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)221.5
3位 V.ボッタス(メルセデス)141
4位 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)132
5位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)118
6位 C.ルクレール(フェラーリ)104
7位 C.サインツ(フェラーリ)97.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)83
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)66
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14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)18

2021年コンストラクターズランキング(第14戦終了時)

1位 メルセデス 362.5
2位 レッドブル・ホンダ 344.5
3位 マクラーレン・メルセデス 215
4位 フェラーリ 201.5
5位 アルピーヌ・ルノー 95
6位 アルファタウリ・ホンダ 84

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