画像: 自動車の処分は解体業者で行ってもらえるのか?

クルマの処分を解体業者に依頼することはできますが、行ってもらうのはスクラップまでで廃車手続きは自分で行う必要がります。廃車手続きを行わないと、クルマの税金がかかり続けますので注意が必要です。この記事では、クルマの処分を解体業者に依頼する際の注意点や正しい手順についてお伝えします。

クルマを処分する場合、解体業者へスクラップを依頼することはできますが、廃車手続きまでは請け負ってなことも多いです。

クルマの処分においては「スクラップ」と「廃車手続き」は別であることを理解しなければなりません。仮に廃車手続きを行わないままだと、クルマに税金がかかり続けてしまいます。

この記事では、クルマの処分を解体業者に依頼する際の注意点や、正しい処分方法について詳しく解説します。また、解体業者に依頼するよりもお得に、手間なく処分できる方法も紹介しますので、併せてご覧ください。

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クルマの処分は解体業者で行ってもらえるのか?

まずは、クルマの処分は解体業者で行ってもらえるのか見ていきましょう。

解体業者への依頼ではクルマ処分の全ては終わらない

解体業者でクルマの処分を行ってもらえるかですが、処分に必要な手続きの全てが終わるわけではありません。

クルマを完全に処分するには、大きく、

  • ①クルマの解体(スクラップ)
  • ②廃車手続き(運輸支局への届出)

を行う必要があります。

この中で解体業者で行なってもらえるのは①のスクラップのみです。もちろん、解体業者のサービスとして廃車手続き代行を行なっている場合もあるとは思いますが、基本的には廃車手続きは別途行う必要があると覚えておきましょう。

クルマを完全に処分するには廃車手続きを行う必要がある

クルマを完全に処分するには、廃車手続きが必須です。

仮にスクラップだけして廃車手続きを行わないままだと、自動車税を納め続けなければならなくなります。

ですので、クルマの処分では本体の解体だけでなく、廃車手続きも行なわなければならないと覚えておきましょう。

ちなみに、廃車手続きは必要書類さえ揃えれば自分でも行えます。以下記事で方法を紹介していますので、自分で行うことを検討している方は参考にしてください。

クルマを処分するなら、まずは廃車買取への相談がおすすめ

処分したいクルマの状態にもよりますが、よほどのことでない限りまずは廃車買取に相談することをお勧めします。

廃車買取店とは、過走行車や10年落ち以上の低年式車、不動車などの買取に特化している業者です。

ご自身で売れないと思っていたようなクルマも廃車買取店なら買い取ってくれる可能性は十分考えられます。

また、仮に値段がつかなかったとしても、無料でクルマを引き取り廃車手続きまで行ってくれる業者も多いです。

例えば、当サイトでも紹介しているカーネクスト)はおすすめの廃車買取店の一つです。

解体業者に解体を依頼し、自分で廃車手続きを行うのは数万円〜の費用もかかりますし、書類集めなどの手間もかかります。

廃車買取店で引き取ってもらえるようであれば、それが最も楽にクルマを処分する方法の一つとなるので、まずは買取や無料引取してもらえるか相談してみてはいかがでしょうか。

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クルマの解体業者が行ってくれること

クルマの解体業者は字で書いた通り、使用済みになった車を解体するのが主な仕事です。

しかし解体といっても、その内容はなんでも壊してスクラップにするのではなく、使える部品と、そうでない部品、そしてリサイクル法で義務付けられた部品に分けるといった細かな作業をしています。

①使用済み自動車の解体

解体業者は、使用済み自動車の解体業務を行っています。依頼主はディーラーや中古車店、そして整備工場が主ですが、個人からの依頼を受ける場合もあります。

解体方法ですが、闇雲にクルマを破壊して解体するのではなく、中古部品やリビルト部品として再利用可能な部品と、そうでない部品に分けて処理しています。

例えば、ドアやバンパー、ボンネットといったそのままの状態で使用できるパーツと、そのまま再使用するには耐久性に問題がありそうな機関部分のパーツに分けます。

そして、耐久性が心配なパーツはさらに分解して、内部のくたびれたパーツを新品に替えるほか、綺麗に清掃して新品さながらのリビルト部品にします。

これらの使えるパーツは、NGPグループなどのリサイクル協同組合を介して全国に販売されます。

また、クルマには再資源化できる部品が多数使用されているほか、環境に悪影響を及ぼす部品も使われています。

そこで環境省では、自動車製造業者や輸入業者に適切な役割分担を義務付けることで、自動車のリサイクルや適性に部品を処理できるよう、2005年から自動車リサイクル法が完全施行されました。

そこで解体業者では、引き取り業者から引き受けた廃車から環境省が定めたリサイクル品目を取り外します。

その品目は、エアバッグ類、フロン類、そしてシュレッダーダストですが、解体業者ではエアバッグ類とフロン類は自動車製造業者や輸入業者に引き渡します

②廃車ガラの破砕業者への引き渡し

再販可能なパーツやリサイクル品目を自動車製造業者や輸入業者に引き渡した後のクルマは、廃車ガラと呼ばれ、解体業者ではそれ以上のリサイクル品の取り出しや再資源化はできません。

そこで、廃車ガラは破砕業者に引き渡されます

解体業者と破砕業者では、仕事内容をリサイクル法でも定めており、シュレッダー(破砕)の前段階で車両をせん断と圧縮しますが、これらの作業は破砕業者が担当します。

廃車ガラを受け取った破砕業者は、シュレッダーにかけるために圧縮して小さくしたりせん断したりします。そして、シュレッダーにかけた後は金属と樹脂に分け、樹脂はリサイクル法に基づき自動車メーカーや輸入業者に引き渡されます

金属も鉄と非鉄に分けて金属材料にリサイクルしますが、鉄を溶融して新しく金属を生成するので、金属類は製錬所に引き渡されます

クルマの処分を解体業者経由で行う方法

解体業者は、廃車となったクルマを引き取りしていますが、カーディーラーや整備工場などの引き取り業者だけでなく、一般からも依頼があれば引き取りして廃車にする業務を行なっている場合もあります。

しかし、リサイクル法が施行されてから解体業者が一般から廃車を請け負うことが減りました。というのも自動車の廃車には、リサイクル法で定められた解体方法のほか、廃車になったクルマを陸運局に永久抹消登録の届け出が必要だからです。

そして、これらの手続きが一般ユーザーでは煩雑なことから、手続きでトラブルに発展することを嫌い、解体業者が一般からの引き取りを拒否している場合があります。

それでも地域には一般からの廃車を引き取りしている業者もあるので、問い合わせすることがポイントです。

手順①:地域にある解体業者に相談

まずは解体業者選びです。持ち込み、またはレッカーでの輸送を考えれば、遠すぎない業者を選んだほうがいいでしょう。

昔は廃車になったクルマを野積みしている光景を各地で見かけましたが、最近はそういった光景は見かけません。

リサイクル法が施行される前は最終処分場が不足しており、廃車ガラとなったクルマの行き場がなく野積みされていましたが、現在は環境保護の観点から野積みはされなくなったことが大きな理由でしょう。

ですので、野積みされている状況から解体業者を見つけることは難しくなりました。

もし可能であれば、古くから住んでいる知人等に紹介してもらうといいかと思います。

手順②:自走 or レッカー手配で解体業者まで持ち込む

次に、スクラップするクルマを持ち込むか、レッカーで運んでもらうかを決めます。

事故や故障で走行不能の場合はレッカーサービスに依頼しなければならないでしょう。

レッカー移動の場合は距離に応じて費用がかかる点に注意してください。廃車の陸送は、10kmの陸送で20,000円程度かかるほか、クレーンでの吊り上げ料金が1時間の作業で2,000円程度かかります。

また、スクラップ業者ではレッカーサービスを行なっているとも限りませんから、その場合は民間のレッカー業者に依頼する必要があります。

廃車のクルマを陸送する場合、一般のクルマの陸送料金と異なり、1.5倍から2倍程度の料金がかかる点にもご注意ください。

手順③:解体が終わったら証明書をもらう

持ち込み後は業者の解体作業待ちとなりますが、解体作業が終わると、

  • 解体報告記録日
  • 使用済自動車引取証明書

をもらえるようになります。

この2つの書類は、廃車手続きに必要となるので確実に解体業者からもらうようにしてください。

手順④:必要書類を揃え、運輸支局で廃車手続きを行う(書類提出)

最後は「廃車手続き」です。解体業者が代行してくれれば手間が省けますが、基本は自分で行う必要があります。

集める書類は以下の通りです。

書類名入手方法費用目安
印鑑証明書
※ 車の所有者のもの
・市・区役所
・行政サービスコーナー窓口
・コンビニ(一部対応市町村のみ)
発行:300円程度
登録:0~500円程度
住民票
※ 車検証情報から
1回住所が変更となっている場合
・市・区役所
・行政サービスコーナー窓口
・コンビニ(一部対応市町村のみ)
300円程度
戸籍附票
※ 車検証情報から
2回以上住所が変更となっている場合
・市・区役所
・行政サービスコーナー窓口
・コンビニ(一部対応市町村のみ)
500円程度
戸籍謄本
※ 車検証情報から
氏名が変更になっている場合
・市・区役所
・行政サービスコーナー窓口
・コンビニ(一部対応市町村のみ)
500円程度
実印ご自身の実印0円
委任状
※ 代理申請の場合
国土交通省サイト0円
ナンバープレート
※ 前後2枚
車両解体の際に取得0円
車検証紛失・破損の場合は陸運局にて再発行0円
(破損・紛失時:300円)
解体報告記録日車両解体後に業者から通知0円
使用済自動車引取証明書車両解体後に業者から通知0円
手数料納付書運輸支局0円
OCR申請書
※ 第3号様式の3
運輸支局0円
自動車税申請書運輸支局隣接の税事務所0円
所有権解除書類
※ 所有者名義がローン会社の場合
ローン会社0円
廃車手続きに必要な書類と入手方法

自分で廃車手続きを行う方法は以下記事で詳しくまとめていますので、こちらもご参考ください。

解体業者で自動車パーツのみ買取してもらえることはあるのか?

解体業者では使えるパーツと使えないパーツの仕分けをおこなっていますが、使えるパーツの買い取りを行ってもらえないかと考える方もいるのではないでしょうか。

残念ですが、解体業者では基本的にパーツの買取はしていません。

また、パーツのみの処分依頼は断られることが多いでしょう。

パーツのみは処分になることがほとんど

解体業者では、パーツの処分を断ることが多いですが、中にはパーツを引き取る業者もあります。しかし、基本的に解体業者では処分料の請求はしますが、パーツの買取はしません

一般に、パーツの処分で困る場合は、ネットオークションでも売れないようなパーツなので、そのようなパーツは解体屋も転売できないことを知っています。そのため、パーツのみの買取はしていません。

パーツの処分は、民間の処分業者や廃品回収業者により処分されます。そのため、クルマのパーツであっても、取り外してあれば解体業者ではなく金属、樹脂、ゴム、廃油といった専門の回収業者に依頼します。

廃車予定のクルマからパーツを外して販売すると違法になることも

クルマを廃車にするからと、むやみにパーツを取り外して廃車にすると違法になります。具体的には、パーツを外すことで走らなくなる場合や車検に受からなくなる部品です。

例えば、タイヤホイールがネットオークションで高値で売買できるからと、スペアのタイヤホイールを用意せずに取り外したままにすると違法ですし、ヘッドライトやドア、フェンダー、バンパーといった外販パーツも同様に違法です。

パーツを取り外しても良い場合は、後付けパーツのみのほか、カーナビやドライブレコーダー、ETCであれば問題ありません。

もしどうしてもタイヤホイールを外したいのであれば、代わりになるタイヤホイールを必ず取り付けておくなど、外してそのままではなく、機能が同じ部品を付け直せば問題ありません

パーツの処分を依頼するなら廃車を決める前に外したパーツ

パーツの処分を解体業者などに処分依頼するなら、廃車を決める前に取り外したパーツなら問題ありません

多くの場合、社外のカスタムパーツを取り付けるために、純正部品を取り外して倉庫などに保管してあることがほとんどです。これらの純正パーツなら、すでにクルマにはそれに代わるパーツが付いているので処分可能です。

このほか、クルマをぶつけて自分でドアやバンパー、ヘッドライトといった外装パーツを交換している場合もあるでしょう。このような場合は、壊れた外装パーツの処分を依頼しても新しくパーツが取り付けてあるので違法ではありません

ただし、クルマのパーツは家庭ごみとして処分できないので注意しましょう。

自動車の解体業者に関するよくある質問

Q.解体業者に直接廃車になるクルマを持ち込んでも買取してもらえないのですか?

A.リサイクル法が施行された2005年以降、クルマの解体が細かく法律で決められました。解体はクルマを物理的に破壊することですが、廃車は書類上クルマを使えなくすることです。一般ユーザーは、解体に持ち込みするけど廃車手続きは自分でする人が多いので、書類上のトラブルを避けるために個人からの依頼を受けない工場が多くなっています。

Q.解体業者から直接中古パーツを購入できますか?

A.解体業者にもよりますが、直接問い合わせてみれば可能なことが多いでしょう。また、解体業者は全国組織の協同組合に加入している場合が多いので、中古パーツをネットワークを通じて全国から探してもらえる可能性もあります。

Q.解体業者は怖いイメージがありますが、大丈夫でしょうか?

A.確かに過去、そうした昔気質な解体業者の店主も多くいました。しかし現在、解体業を営む業界全体で世代交代が進み、そうした企業は残っていません。女性が活躍する職場も増えており、解体業者は昔のイメージとは異なりクリアな仕事です。

まとめ

クルマの解体業者は、引き取り業者と呼ばれる都道府県知事の登録を受けた業者から引き受けたクルマを解体し、リサイクル部品や中古部品、そして廃車ガラに分ける作業をする業者です。

解体業者は、一般から廃車になるクルマを引き受けることもありますが、現在ほとんどの解体業者は一般からの廃車はトラブルを避けるために断っています。

廃車にするなら、解体業者を探すのではなく廃車買取に相談すれば、廃車手数料をかけずに廃車処分が可能です。しかもクルマによっては現金化できるのも廃車買取なので、廃車は解体屋ではなく廃車買取を利用しましょう。

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