2009年4月、3列シートミニバン「トヨタ ウィッシュ」が2代目に進化した。乗用車感覚の7人乗りピープルムーバーというコンセプトを初代から継承、その上でライバルに打ち勝つべくマルチな才能を身につけていた。「使い方次第で無限の可能性を秘める」とも言われたその実力はどんなものだったのか。登場間もなく行われた試乗テストの模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年6月号より)

2代目は走りも外観もスポーティ路線へ

ウィッシュは5ナンバーの使い勝手のいいボディサイズに、7人が乗れる居住空間を持つミニバンとして2003年にデビュー。そのウィッシュが2代目へとフルモデルチェンジされた。

ミニバンというと、自然にファミリーユースを想像してしまう。実際、ウィッシュと同じトヨタの5ナンバーサイズミニバンであるノアは、ユーザーの8割がファミリー層だという。

もちろん、全高が1850mmと高くリアドアがスライドドアというノアと、1590mmと全高がそれほど高くなくリアはスウィングドアのウィッシュを単純には比較できない。とはいえ、同じミニバンというカテゴリーでありながら、初代ウィッシュのユーザーのうち、ファミリー層は全体の4割ほどでしかなかく、3割が若いユーザーだったという。

比較的若いユーザーが多いこともあってか、初代ウィッシュはサイドスカートやルーフスポイラーが装着されるスポーティなエアロスポーツパッケージに人気が集まっていた。そのため、2代目は全グレードでエアロパーツが標準装備となり、よりスポーティなエクステリアとなった。さらに、スポーツグレードである2.0Zと1.8Sは、フロントフェンダーがワイド化されて3ナンバーとなった。

そうしたスポーティなイメージを走りでも実現するために、従来は2Lエンジンのみに付いていた可変バルブタイミング機構のバルブマチックが今回新たに1.8Lエンジンにも搭載された。これに、マニュアル操作も可能なCVTを組み合わせる。さらに、2.0Zと1.8Sにはパドルシフトも備わる。

まずは1.8Sに試乗した。走り出して感じたのは、アクセル操作に対するエンジンのレスポンスの良さだった。アクセルペダルを踏みこめばそれにキッチリ応えるように加速してくれるのだ。

また、1.8SにはエンジンとCVTを総合制御する「CVTスポーツモード」が用意されている。このモードにすると、ギアをDレンジのままにしていても、エンジン回転数が高めに維持されるように制御される。コーナー進入前のエンジンブレーキが通常より強くかかり、コーナー出口での再加速のレスポンスも上がるため、スポーティな走りを簡単に楽しむことができた。

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