NEXCO中日本のグループ会社である中日本ハイウェイ・メンテナンス東名は、吸引機能が付いた「新型路面清掃車」を開発し、2021年10月から圏央道 海老名インターチェンジ(IC)から相模原ICの間で試行導入する。

作業員が行っていた路面清掃作業の一部を担う

画像: 車両前部の吸引装置で吸引したゴミはホースを通って車両後部のホッパーに集積する。

車両前部の吸引装置で吸引したゴミはホースを通って車両後部のホッパーに集積する。

NEXCO中日本では、最先端のICT技術やロボティクスの導入により、人口減少などの高速道路を取り巻く環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化を目指す「i-MOVEMENT(アイ-ムーブメント)」を進めているが、その一環として、この新型路面清掃車を開発した。

現在、高速道路では、交通管理隊が定期的に巡回し、車線上に落ちている落下物の回収や路面清掃車で、ゴミや小石などを回収している。また、交通管理隊や路面清掃車以外にも、清掃車両に乗った作業員が定期的に巡回して、路肩やガードレール脇などに落ちているペットボトルなどのゴミを回収(年間約600トン)している。

清掃車両における作業は、ゴミを発見するたびに作業員が清掃車両から降りてゴミを回収しているが、車両への乗り降りや安全の確認など作業員の負担は少なくない。また、一般車が清掃車両に後方から衝突することで車両前方で作業していた作業員や運転手を負傷させてしまう事故も発生しており、作業員の負担軽減と安全確保が重要な課題となっている。

画像: 車両前面に吸引装置を装着したスタイルは、なかなかアグレッシブだ。

車両前面に吸引装置を装着したスタイルは、なかなかアグレッシブだ。

新型路面清掃車は、高速道路の路肩を走行しながらゴミを発見する都度徐行し、車両前面に設置した吸引装置を車内からの操作で左右にスライドしてゴミを吸引する。吸引されたゴミは、吸引ホースを通り車両後部のホッパーに集積される。吸引できない大きなゴミは、これまでどおり作業員が回収してキャビン後部の回収スペースに積込む。車両後部には安全対策として衝突緩衝装置やLED表示板などの安全装置も設置している。

この車両の導入により、作業員が高速道路上に降りる回数(本車両によりゴミが回収できる作業対象範囲での降車回数)を約7割程度削減することができ、清掃作業の省力化や作業員の安全性向上につながることが期待されている。

なお、類似する清掃車はすでに海外における市街地で活用されている。しかし、作業員が回収した大きなゴミを積載する場所の問題、高速走行できないなどといった課題があったため、今回NEXCO中日本では新たに開発した。

この新型路面清掃車は今後、ハイウェイ・メンテナンス東名が実施する圏央道 海老名IC〜相模原IC間の路面清掃作業に試行導入し、本格導入に向けた検証を進め、2023年度以降に車両の本格導入を予定している。

画像: 車両後部には衝突緩衝装置(赤白ストライブ部分)とLED表示板などの安全装置も設置している。

車両後部には衝突緩衝装置(赤白ストライブ部分)とLED表示板などの安全装置も設置している。

■NEXCO中日本 新型路面清掃車 主要諸元

●車両外寸:全長7.0m×全幅1.82m×全高2.53m
●車両重量:5.7トン
●吸引口サイズ:幅40cm×高さ10cm
●吸引ホース直径:20cm
●ホッパー容量:2.3立方メートル
●最大積載量:800kg
●主な吸引可能なもの:ペットボトル、空缶、布、ビニール、ゴム類など
※吸引実績では、1Lペットボトルに700mlの液体が入ったものは吸引可能。吸引口より大きなものや小さくて重たいもの(ボルト・ナット類)は吸引できない。

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