2代目 ホンダ NSXの最終にして究極のモデル、「タイプS」のステアリングをテストコースでの試乗だが早くも握ることができた。そのパフォーマンスを存分に味わった大谷レポーターは、何を思ったのだろうか。

ポルシェにも匹敵する、NSXの強靱さ

画像: タイプSは、今までのNSXを超えることを目指し、パフォーマンスとデザインを追求した。

タイプSは、今までのNSXを超えることを目指し、パフォーマンスとデザインを追求した。

もともとニュルブルクリンクばりにアップダウンが激しい鷹栖プルービンググラウンドのワインディングロードは、北海道の厳しい冬がそうさせたのか、以前と比べても路面が一層荒れているという。

そこを、ホンダのテストドライバーはときに200km/hに迫るスピードで突っ走っていく。初めてこのコースを走る私はじわじわと引き離されていったが、それでも彼らはペースを緩めない。ときにNSXは瞬間的に宙を舞ってエンジンが大きなうなり音を上げ、また別のときには路面のうねりでボディが激しく左右に振られてルーフとヘルメットが軽く接触するほどの激しい走り・・・。しかし、そうまでして私たちに見せたい何かが、NSX開発陣の胸の内にはあった。

2代目NSXの最後を飾る限定モデル、タイプSに試乗するために私は鷹栖を訪れたのだが、比較用の2019年モデルを走らせただけで、NSXというスーパースポーツカーの本質を見せつけられたような思いがした。ボディはあくまでも頑強。どんなに激しい走りをしてもサスペンションは音を上げることなく、路面からの衝撃をしっかりと受け止めてタイヤの接地性を確保する。しかも、1周6.2kmのコースを「これでもか!」とばかりに走り続けても、エンジンやブレーキが熱ダレを起こす気配は一切見られない。その強靱さは、ポルシェに匹敵するといっても過言ではないほどだ。

しかし、そんなNSXでさえ、アンジュレーションの激しい路面で姿勢を乱しかけ、接地性が薄れてタイヤを軽くスライドさせるシーンを何度か見られた。ところがタイプSに乗り換えると、ボディはフラットな姿勢を崩さず、コース中唯一のジャンピングスポットを除けばタイヤのグリップが薄れるシーンは皆無。ステアリングホイールを握る私は全身にうっすら汗をかくほどの全力投球をしているというのに、タイプSは涼しい顔をしたまま、さらっとコースを走り抜けたのである。

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