「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マクラーレン MP4-12Cだ。

マクラーレン MP4-12C(2011年:ニューモデル)

画像: スーパーカーのお約束?で、ドアは前ヒンジの跳ね上げ式。0→100km/h加速は3秒以下、最高速は320km/hオーバー。

スーパーカーのお約束?で、ドアは前ヒンジの跳ね上げ式。0→100km/h加速は3秒以下、最高速は320km/hオーバー。

名門レーシングチームであるマクラーレンがスーパーカーを作った。またか、と思われているクルマ好きの人も多いだろう。たしかにマクラーレンは、これまでにもF1SLRというスーパースポーツカーを世に送り出してきた。しかし今回は、これまでとはまるで質が違う。なぜかといえば、マクラーレンはこのMP4‐12Cを皮切りに、世界唯一の独立系量産スーパーカーメーカーになろうとしているからだ。

過去の一品ものに近い工芸品制作の世界から、丹念に作られるがボリュームのある工業製品生産の世界へ。そのために、新たな組み立て工場も建設し、数百名の雇用も確保した。もはや失敗は絶対に許されない。壮大なチャレンジの第一歩を、マクラーレンは踏み出したのだ。もちろん、彼らは失敗するつもりなど毛頭ない。F1の世界で長年に渡って最有力チームであり続け、ル・マンやインディでも勝利を手にしてきた彼らには、それだけの経験と技術、そして何よりも自信があった。

MP4-12Cは、まったく新しいスーパーカーだ。以前の2モデルとは違って、他の自動車メーカーの手を借りることなく、パワートレーンをはじめすべて専用設計とした。F1で勝利を目指すときのように、一切の妥協を排することで、スーパーカー界でもポディウムの中央を目指す。そんなマクラーレン魂が開発スタートの段階から貫き通された。

最大のライバルは、フェラーリ 458イタリアだ。3000万円以下のコアなスーパーカー セグメントにおけるライバルを、すべての点で凌駕するために彼らは手段を選ばなかった。このクラスでは初採用となるカーボンモノコック ボディタブ「モノセル」などは、その最たる例だ。

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