2009年、アルファロメオ ミトがついに日本に導入された。まずは1.4Tスポーツの6速MT仕様1モデルのみでの上陸だ。アルファロメオの本拠地ミラノと、生産地トリノの頭文字をとって、ミト(=MiTo)と名付けられたこのクルマは、どんなモデルだったのか。Motor Magazine誌では、デザインの原点となったとも言われる8Cコンペティツィオーネをともに連れ出し、興味深い試乗テストを行っている。ここではその取材の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年7月号より)

アルファロメオ ミト(2009年:ニューモデル)

画像: 8Cコンペティツィオーネからインスパイアされたというミト。ボンネットフードの膨らみ、そこからつながる盾型グリル、クロームリングに縁取られたヘッドライト、独特なラインを持つサイドウインドウ、重厚感のある前後フェンダーの形状に、8Cコンペティツィオーネとの共通性が感じられる。

8Cコンペティツィオーネからインスパイアされたというミト。ボンネットフードの膨らみ、そこからつながる盾型グリル、クロームリングに縁取られたヘッドライト、独特なラインを持つサイドウインドウ、重厚感のある前後フェンダーの形状に、8Cコンペティツィオーネとの共通性が感じられる。

アルファロメオのファンにとって、まさに待望のモデルに違いないミトが、遂に日本に上陸した。待望。自然に指がそう動いてしまったのだが、要するに最近のアルファロメオのモデルについて、筆者としては物足りなく感じていたのだろうと改めて思う。それはきっと、アルファロメオをより深く愛している人達にとっても同じなのではないだろうか。

たとえば主力の159。理屈で考えればとても良くできたクルマだ。ボディ剛性は高く、サスペンションはよく動き、エンジンもよく回る。でも、なぜかどこか熱くなれなかったことも事実である。パッケージングもメカニズムも決して優れてはいなかった先代の156は、眺めていて乗っていて夢中になれるものだったのに。

ブレラだってスパイダーだってそうだろう。誰もが乗っていかにもアルファらしいなと感じさせるのが、モデルチェンジの時機を逸した147だというのは寂しい話である。グローバリゼーションの弊害か、それともたまたまその時代の傾向だったのかはわからない。しかし、いずれにせよ最近のアルファロメオが、どこか肩透かしに思えていた人は少なくないはずだ。

ミトはそうした状況の下で登場した。そこに待望の・・・いう思いを抱いたのは、おそらくはまったく新しい、そしていかにもアルファロメオらしく見えるモデルへの期待であり、それがアルファロメオというブランド自体の明るい未来を見せてくれそうな期待を抱かせるからだろう。

数字を使ったネーミングがしばらく続いた後の、何と短絡的なと思わせつつも妙に微笑ましいその名や、なるほど彼らならやりかねないブッ飛んだスタイリング。それだけで、すでに期待を抱かせるためのひとつ目のハードルは越えていると言ってもいいのかもしれない。

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