電気モーターだけで動くBEV(電気自動車)の「iX3」が新たに設定されたことで、BMW X3シリーズのパワートレーンラインナップはいよいよ完成の域に達した。ガソリン、ディーゼルそれぞれに直列4気筒&6気筒ターボエンジンを設定、さらにMHEVやPHEVによる電動化など、このクラスに今、求め得るパワートレーンをほぼ網羅している。今回はそんなX3の魅力である「ハート」、つまりエンジンやモーターの違いに着目して検証してみたい。

ベーシックから電動化、ハイパワー志向まで個性的なパワートレーンが勢ぞろい

画像: エンブレムや部分的に青い差し色が入る以外に、BEVであることをことさら強く主張してはいない。

エンブレムや部分的に青い差し色が入る以外に、BEVであることをことさら強く主張してはいない。

もともとBMWのラインナップは非常に多彩なグレード展開となっている。だが日本市場に導入されているモデルとしては、iX3を加わえたX3シリーズは、おそらく史上もっともパワートレーンの選択肢が充実していると言っていい。ライバルも真っ青の、贅沢な布陣だ。

たとえば強力なライバルのひとつ、メルセデス・ベンツ GLCの場合はスタンダードラインにガソリン、ディーゼルとも2L 直4 DOHCターボの設定しかない。本国ではそのMHEV仕様が登場しているが、日本での電動化はまだPHEVのみ。メルセデスAMG系には掟破りのV8ツインターボモデルも設定されるが、6気筒ユニットはV型となる。

もうひとつのライバル、アウディ Q3の場合はベーシックな1.5L 直4ターボ×MHEVという、ある意味強力なユニークセールスポイントが設定されている。その上位グレードに2L 直4ディーゼルターボ×MHEVを用意し、さらにその上には名機として知られる直列5気筒ターボを搭載したトップグレード「RS Q3」を戴く。比較的シンプルでわかりやすい。

そしてBMW X3シリーズはと言えば、全7種類のパワートレーンをドーンと大盤振る舞い・・・それでもグレードは9タイプと、実は意外に少数精鋭だったりする。

7種類の「キャラクター」、データで見るそれぞれの魅力

画像: X3系列の最強バージョンが、このX3 M。510psを発生する直6ツインターボを搭載している。

X3系列の最強バージョンが、このX3 M。510psを発生する直6ツインターボを搭載している。

それではX3シリーズに設定されているパワートレーンごとのスペックを、検証していこう。折を見て一気乗りで走りの味も比較したいところだが、まずはシンプルに数値で検証しておく。

数値は・・・
①駆動方式②最高出力③最大トルク④車両重量⑤0→100km/h加速(欧州値)といった公表値。
ICEモデルについては・・・
⑥タンク容量(BEVは総電力量)⑦WLTP(※WLTC)サイクルでの燃費(同 電費)、そこから換算した単純計算での「⑧航続距離」を加えておく。並びは車両価格の高いものからとなる。

3L 直列6気筒ツインターボ<X3 M コンペティション> 1311万円

性能も価格も格が違うMハイパフォーマンスシリーズのトップモデル。アルミニウムを多用した軽量ボディ、アダプティブMサスペンション、さらには大径ブレーキ×6ポッドMコンパウンドブレーキ(フロント)まで装備。SUVでありながらサーキットでの走行も可能にしている。

①4WD②510ps③650Nm④2020kg⑤3.8秒
⑥65L⑦9.3-9.4km/L⑧610km

3L 直列6気筒ディーゼルターボ+MHEV<X3 M40d>:902万円

サーキットで磨かれた技術で公道での優れた走行を可能にしたMパフォーマンスシリーズの1台。もともと抜群にトルクフルかつスムーズな直6ディーゼルターボに、11ps/35Nmでアシストしてくれる48Vスタータージェネレーターが組み合わされている。航続距離の長さも魅力だ。

①4WD②340+11ps③700+35Nm④2050kg⑤4.9秒
⑥68L⑦13.8km/L※⑧938km

3L 直列6気筒ターボ<X3 M40i>:883万円

同じくMパフォーマンスシリーズの1台。ウルトラスムーズな直6ツインパワーターボエンジンを搭載する。欧州ではこちらにもMHEV仕様がデビューしているが、日本には未導入。

①4WD②387ps③500Nm④1920kg⑤-秒
⑥65L⑦10.5km/L※⑧683m

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