2021年11月14日(日本時間15日)、F1第19戦ブラジルGPが行われ、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは安定した速さで7位に入賞、中団グループのトップの実力を見せた。角田裕毅はスピードはあったものの、ペナルティもあり15位に終わった。ここではブラジルGPのアルファタウリ・ホンダの活躍を振り返ってみよう。

ガスリーは積極的な戦略でアルピーヌを攻略

アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは7番グリッドから、角田裕毅は15番グリッドからスタート。ブラジルGPではスプリント予選が行われたため決勝のスタートタイヤを自由に選択できたが、角田はほかのドライバーがソフトタイヤを履く中でただひとりソフトタイヤでスタートした。

ガスリーは10番グリッドから追い上げてきたルイス・ハミルトン(メルセデス)にかわされ、オープニングラップで8番手にドロップ。角田は3周目にランス・ストロール(アストンマーティン)をパスしようとした際に接触してマシンを損傷。このデブリを除去するため、セーフティカーが出動することになった。

そのリスタート後、ガスリーはセバスチャン・ヴェッテル(アストンマーティン)をかわして7番に順位を戻すと、25周目に早くもピットインしてハードタイヤに交換する積極的な戦略に出る。

さらにガスリーは51周目に2度目のピットインをして再びハードタイヤに交換、1ストップ作戦を採っていたアルピーヌの2台を立て続けにオーバーテイクし、7位でフィニッシュした。

画像: パワーがものをいうコース設定で、アルファタウリ・ホンダの2台は速さを見せた。写真は7位に入賞したピエール・ガスリー。

パワーがものをいうコース設定で、アルファタウリ・ホンダの2台は速さを見せた。写真は7位に入賞したピエール・ガスリー。

これでガスリーは貴重な6ポイントを獲得し、ドライバーズチャンピオンシップで8位のダニエル・リカルドに13ポイント差まで迫るとともに、コンストラクターズチャンピオンシップでアルファタウリ・ホンダはアルピーヌ・ルノーとポイント差なしの6位につけている。

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)

「今日は激しいレースでしたが、満足のいく結果だったと思います。ダニエル(リカルド)やセブ(ヴェッテル)、そして終盤では2台のアルピーヌと、素晴らしいバトルができました。F1で彼らとレースをすることはあまり多くないので、とても楽しかったです。大変ではありましたが、今日はトップ3チームの直後という、僕らに可能な中でベストの順位でフィニッシュできました。そして、コンストラクター5位争いにまだ踏みとどまっていることが、最も重要なことです」

画像: ブラジルGPで7位に入賞したピエール・ガスリー。安定してトップ10内の走りを披露。シーズン終盤、調子を上げてきた。

ブラジルGPで7位に入賞したピエール・ガスリー。安定してトップ10内の走りを披露。シーズン終盤、調子を上げてきた。

一方、ストロールとの接触でフロントウイングを失った角田裕毅は、4周目にピットインしてウイングを交換するとともソフトタイヤからハードタイヤに交換して、ポジションは大きく後退。その後、レースが進む中、好ペースを見せてトップ10圏内まで浮上してきたが、ストロールとの接触の原因を作ったとして10秒加算のタイムペナルティが科され、39周目のピットイン時にこれを消化して再び後方へと順位を落としてしまう。

角田はレースをとおしてスピードはあったものの、結局15位という結果に終わりポイント獲得はならなかった。

角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)

「今日はフラストレーションが溜まる一日でした。タイヤの判断はよかったと思いますが、不運にもストロール選手との接触でレースを台無しにしてしまいました。リスキーな抜き方ではありましたが、彼がミラーを見ていなかったことで当たってしまいました。その後はずっとダメージを負ったまま走ることになったので、ペナルティが科されたのは本当に残念です。ただ、レースではよくあることですし、次戦ではもっと強くなって戻ってきたいです」

画像: 角田にとっては、ストロールとの接触が痛かった。マシンを壊したばかりか、ペナルティまで受けて、レースは台無しとなった。

角田にとっては、ストロールとの接触が痛かった。マシンを壊したばかりか、ペナルティまで受けて、レースは台無しとなった。

ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、レース後、「ガスリー選手は戦闘力が拮抗した中団のマシンとの争いとなり、難しい展開でしたが7位入賞を果たしました。終盤にコンストラクターズチャンピオンシップでのライバル、アルピーヌの2台をオーバーテイクするなど、いい走りを見せました。角田選手は序盤にオーバーテイクを仕掛けた際、他車に接触し、車体にダメージを負うとともに、その接触によるペナルティを受けてしまうなどで15位という結果でしたが、週末を通してスピードはありましたので、次のレースに期待しています。今週は中東に移動して3連戦の3戦目、カタールGPになります。F1初開催のサーキットとなりますので、きっちりと準備を行い臨みたいと思います」とコメントしている。

画像: ブラジルGPのタイヤ戦略。ガスリーはミディアム-ハード-ハードの2ストップを早めの交換で行い、角田はソフト-ハード-ハードというアグレッシブな2ストップで挑んだ。

ブラジルGPのタイヤ戦略。ガスリーはミディアム-ハード-ハードの2ストップを早めの交換で行い、角田はソフト-ハード-ハードというアグレッシブな2ストップで挑んだ。

次戦カタールGPはロサイル・インターナショナル・サーキットで開催、11月20日に決勝が行われる。

2021年F1第19戦ブラジルGP決勝 結果

1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)71周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+10.496s
3位 77 V.ボッタス(メルセデス)+13.576s
4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+39.940s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+49.517s
6位 55 C.サインツ(フェラーリ)+51.820s
7位 10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)+1周
8位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+1周
9位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+1周
10位 4 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)+1周
・・・・・・・・・・・・・
15位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+1周

2021年F1ドライバーズランキング(第19戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)332.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)318.5
3位 V.ボッタス(メルセデス)203
4位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)178
5位 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)151
6位 C.ルクレール(フェラーリ)148
7位 C.サインツ(フェラーリ)139.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)105
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)92
・・・・・・・・・
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)20

2021年コンストラクターズランキング(第19戦終了時)

1位 メルセデス 521.5
2位 レッドブル・ホンダ 510.5
3位 フェラーリ 287.5
4位 マクラーレン・メルセデス 256
5位 アルピーヌ・ルノー 112
6位 アルファタウリ・ホンダ 112

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