2021年11月19日、三菱自動車工業(以下、三菱)の中国における生産・販売合弁会社である広汽三菱汽車有限公司は、広州モーターショーでSUVタイプの新型電気自動車「エアトレック」を世界初披露した。

バッテリー容量は70kWh、最大航続距離は約520km

広州モーターショーの一般公開日は2021年11月22日(月)〜28日(金)だが、それに先立つ19日(金)のプレスデーで、参考出品として「エアトレック」が世界初披露された。

画像: 三菱車のアイデンティティである「ダイナミックシールド」を採用した、新型エアトレック。

三菱車のアイデンティティである「ダイナミックシールド」を採用した、新型エアトレック。

「エアトレック(AIRTREK)」という車名を懐かしいと思う三菱ファンも多いだろう。2001〜2008年に日本でも発売されていた、クロスオーバーSUVの名が復活した。なお、エアトレックは海外で「アウトランダー」の名でも販売されていた。したがって、日本で初代となるアウトランダーは、世界的に2代目にあたる。ちなみに、エアトレック(AIRTREK)という車名は、「自由に冒険的な旅をする」という意味を込めて、「Air」と「Treck」を合わせた造語だ。

さて、新型エアトレックは「Electric(電気自動車の『電気』)」、「Expanding(カーライフの『拡張』)、そして「Expressive(三菱自動車らしさの『表現』)という3つのキーワードからなる「e-cruising(クルージング)SUV」というコンセプトを元にデザインされた。

フロントフェースのダイナミックシールドや、テールゲートの六角形モチーフに代表される三菱のデザイン アイデンティティを取り入れ、機動力と安定性の高い三菱らしい走りを表現するスタイルとした。飛行機の垂直尾翼をモチーフとしたDピラーや、A〜Cピラーをブラックアウトしたフローティングルーフなど、日本でも先日発表された新型アウトランダーPHEVと同様のエレメントを採用している。

画像: 高級で上質な居住空間を実現したインテリア。ほぼそのまま市販化されそうだ。

高級で上質な居住空間を実現したインテリア。ほぼそのまま市販化されそうだ。

インテリアも新型アウトランダーPHEVと同様に水平基調のインストルメントパネルを採用し、開放的で前方視界の良いものになっている。人が触れる部分にソフトパッドを採用して質感を向上し、ステッチを細部にまで多用して、高級で上質な居住空間を実現している。また、ロングホイールベースと幅広い全幅により、乗員がゆったりと過ごせる広々とした室内空間としている。

EV(電気自動車)のコンポーネントとしては、駆動用バッテリーは70kWhの大容量のものを搭載し、航続距離は中国CLTC(中国独自の自動車排ガス試験走行サイクル)基準で約520kmを達成している。バッテリーはフロアの中央に搭載され、低重心で理想的な前後重量配分としている。

軽量高剛性なボディに、モーター、インバーター、減速機をひとつの軽量コンパクトなユニットとし、出力とトルクを向上させた駆動システムと組み合わせ、EVならではの力強く滑らかな走りと、キビキビとした操縦性をいっそう際立たせている。

画像: テールゲートの六角形モチーフやフローティングルーフなど、三菱車のデザインエレメントが用いられている。

テールゲートの六角形モチーフやフローティングルーフなど、三菱車のデザインエレメントが用いられている。

三菱はアナウンスしていないものの、エアトレックのプラットフォームはアライアンス関係にある日産のアリアと共通と思われる。エアトレックは、外寸をはじめパワートレーンの詳細や駆動方式も公表されていないが、近い将来に市販モデルが中国から販売されることになるだろう。気になるのは日本での販売だが、現段階では未定のようだ。

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