2021年11月19日、ドイツ本国のフォルクスワーゲンから届いたのは、秋の嵐の中を駆け抜けるパワフル・エステート2台のツーリングシーン。日本への導入が期待される新型ゴルフ R ヴァリアントが、ご先祖様と言うべきゴルフIII ヴァリアントVR6とのランデブーを楽しんでいる。それは果たして、どんなクルマだったのだろう。

遭遇したご先祖さまは、希少性に富んだ2.9Lモデルだった

画像: 最高速度は222km/h。0→100km/h加速は8.1秒だ。車高はノーマルに対して20mmダウンされていた。

最高速度は222km/h。0→100km/h加速は8.1秒だ。車高はノーマルに対して20mmダウンされていた。

ゴルフIII ヴァリアントVR6シンクロは、歴代フォルクスワーゲンモデルの中でも、非常に希少性が高い。本国ドイツですら実動している車両は100台に満たないという。

バンク角がわずか15度という狭角V型6気筒ユニット「VR6」は、1991年にデビュー、ゴルフIIIではその名称が、そのままグレード名として冠された。「ヴァリアント」は言わずもがなのエステートモデルであり、「シンクロ」はフルタイム4WDであることを表す。

通常のV6よりも幅が狭く直列4気筒なみに全長が短いVRユニットは、軽量化とコスト低減などのメリットを備えていた。日本に導入された仕様の排気量は2.8L(2791cc)で最高出力は170ps、最大トルクは23.9kgmに達していたという。やや遅れて導入されたGTI 16V(2L 直4DOHC)が145ps/18.3kgmだったのだから、そうとう贅沢な仕様だったと言っていいだろう。

今回、25年の時間を超越したドライブを楽しんだVR6は、欧州向けに設定されていた2.9L(2861cc)ユニットを搭載している。こちらの最高出力は190ps、最大トルクは245Nmだ。ただでさえオーバースペックなのに、さらにその上を行く・・・まさに、スーパースポーツワゴンだった。

時代を経て革新を遂げた「R」。それでも変わらないスピリットがある

画像: 25年を経てなお、流れるスピリットは変わらない。類まれな高性能と、並外れた日常的実用性の絶妙なコラボレーションが楽しめる。

25年を経てなお、流れるスピリットは変わらない。類まれな高性能と、並外れた日常的実用性の絶妙なコラボレーションが楽しめる。

新型ゴルフ R ヴァリアントもまた、トップクラスのパフォーマンスを発揮するスーパーエステートである。搭載されるエンジンこそ2L 直列4気筒だが、最高出力は320ps、最大トルクは420Nmを絞り出す。トルクベクタリングも備えた「4MOTION」を備え、0→100km/h加速を4.9秒でこなす。

技術的なステップアップはもちろん、比べ物にならないほどの性能的進化をもたらしている。だが一方で、クルマ作りのコアとなる「one promise」は変わっていない、とリリースではコメントされている。

約束されているのは、高いレベルでの快適性とライバルを凌ぐパフォーマンス、そして「exceptional everyday practicality」・・・それは、「普段から使いこなすことができる、並外れた実用性」と表現すればいいだろうか。

おそらくはより洗練された品質を備えたゴルフ R ヴァリアントの「来日」が、待ち遠しい。(文:Webモーターマガジン編集部 神原 久)

フォルクスワーゲン ゴルフIII VR6 ヴァリアント シンクロ 主要諸元(1995-1997)

・全⻑×全幅×全高:4340×1700×1410mm
・ホイールベース:2480mm
・ラゲッジルーム容量:340-1300L
・乗車定員:5名
・⾞両重量:1340kg
・エンジン種類:15度 V型6気筒
・排気量:2861cc
・最⾼出⼒:140kW(190ps)/5800rpm
・最⼤トル:245Nm/4200rpm
・トランスミッション:5速MT
・駆動方式:4WD
・最⾼速度:222km/h
・0→100km/h加速:8.1秒

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