2021年11月21日に行われたF1第20戦カタールGPで、表彰台も期待されたアルファタウリ・ホンダはまさかのノーポイントに終わった。2番グリッドからスタートしたピエール・ガスリー、予選8番手の角田裕毅のレースを振り返る。

スタートのタイヤに苦しみ、1ストップ戦略とれず

初日から好調だったアルファタウリ・ホンダは、表彰台を期待されたものの、意外なレース展開に苦しんだ。

予選2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がダブルイエローフラッグ無視で5グリッド降格、3番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)がシングルイエローフラッグ無視で3グリッド降格となり、ピエール・ガスリーはフロントロウ2番手という絶好の位置からスタート。

そのガスリーはスタート後のターン1で2番手のポジションを守るが、直後のコーナーでフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)に交わされて3番手、さらに3周目にフェルスタッペンにもかわされて4番手にポジションダウン。ソフトタイヤでの走行に苦しみペースが上がらない。

画像: 第1スティントのソフトタイヤで苦戦したガスリー。これでレースが台無しになった。

第1スティントのソフトタイヤで苦戦したガスリー。これでレースが台無しになった。

そこで13周目、早めのピットインでミディアムタイヤに交換するが、トラフィックの中でなかなか順位を上げられない苦しい展開となってしまう。序盤にピットインしたガスリーは、35周目に2度目のピットストップを行うが、この時点で中団グループの多くのチームが1ストップ作戦をとっていることが判明。さらに厳しい状況となっていく。

結局、この2度目のピットストップで後退したことが響いて、ガスリーは1ストップ勢を攻略しきれず11位でフィニッシュ。残念ながら予選の好結果をポイントにつなげることができなかった。

ガスリーはレース後、「フラストレーションの溜まる一日でした。ユウキ(角田裕毅)も僕もトップ10以内からスタートしましたが、レースを後方で終える形になりました。マシンの中では全力を尽くしていましたが、今日の僕らに速さがありませんでした。スタートでもアロンソ選手に前を行かれてしまい、それによりアグレッシブな2ストップ戦略を採りましたが、ペースがよくありませんでした。今日は上手くいかずに残念です。昨日の予選でのインシデントからいくつかのパーツを交換しましたが、それが今日のレースペースに影響したのかは分かりません。今は理由が分からないので、すべてのことをきちんと分析する必要があると思っています」とコメントしている。

画像: 2番グリッドスタートから、まさかの11位に終わったガスリー。

2番グリッドスタートから、まさかの11位に終わったガスリー。

一方、アルファタウリ・ホンダのチームメイト、角田裕毅も予選まで調子が良かったが、決勝では苦しんだ。

ソフトタイヤで8番グリッドからスタートした角田は、ガスリー同様、ソフトタイヤでの走行に苦しみ9周目に早くもミディアムタイヤに交換、これが最後まで尾をひくことになる。

後方にドロップした上に、34周目に2度目のピットストップを行うことになり、1ストップ勢に完敗。13位まで追い上げたが、それがやっとだった。

角田がレース後、「とてもタフなレースで、特に第1スティントのソフトタイヤではかなり苦戦しました。レースウイーク中はずっとペースがよかったので予想外の展開でしたが、なぜこうなったのかをデータを分析しています。(1ストップの)アルピーヌがとてもいいレースをしただけに本当に残念ですが、残り2戦で強さを取り戻す必要があります」と語っている。

画像: 予選8番手に入りながら、決勝では13位に沈んだ角田裕毅。

予選8番手に入りながら、決勝では13位に沈んだ角田裕毅。

カタールGPでのアルファタウリについて、ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは「オーバーテイクの多いエキサイティングなレースになりました。ガスリー選手は予選上位の選手のグリッド降格にともない2番グリッド、角田選手は8番グリッドからスタートしましたが、思うようにレースペースが上がらず、2台ともにポイント圏外で終わり、昨日までの速さを考えると非常に残念な結果になりました。簡単な週末ではありませんでした」とコメントしている。

画像: カタールGPのタイヤ戦略。アルピーヌ・ルノー、フェラーリ、アストンマーティン、マクラーレンは1ストップを選択。タイヤトラブルの可能性はあったが、中団グループはこれが正解だった。

カタールGPのタイヤ戦略。アルピーヌ・ルノー、フェラーリ、アストンマーティン、マクラーレンは1ストップを選択。タイヤトラブルの可能性はあったが、中団グループはこれが正解だった。

次戦サウジアラビアGPは、1週のインターバルの後、12月13日に首都ジェッダの市街地コースで開幕する。

2021年F1第20戦カタールGP決勝 結果

1位 44 L.ハミルトン(メルセデス)57周
2位 33 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)+25.743s
3位 14 F.アロンソ(アルピーヌ・ルノー)+59.457s
4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)+62.306s
5位 31 E.オコン(アルピーヌ・ルノー)+80.570s
6位 18 L.ストロール(アストンマーティン・メルセデス)+81.274s
7位 55 C.サインツ(フェラーリ)+81.911s
8位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+83.126s
9位 4 L.ノリス(マクラーレン・メル セデス)+1周
10位 5 S.ヴェッテル(アストンマーティン・メルセデス)+1周
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11位10 P.ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)+1周
13位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)+1周

2021年F1ドライバーズランキング(第20戦終了時)

1位 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)351.5
2位 L.ハミルトン(メルセデス)343.5
3位 V.ボッタス(メルセデス)203
4位 S.ペレス(レッドブル・ホンダ)190
5位 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)153
6位 C.ルクレール(フェラーリ)152
7位 C.サインツ(フェラーリ)145.5
8位 D.リカルド(マクラーレン・メルセデス)105
9位 P.ガスリー (アルファタウリ・ホンダ)92
・・・・・・・・・
14位 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)20

2021年コンストラクターズランキング(第20戦終了時)

1位 メルセデス 546.5
2位 レッドブル・ホンダ 541.5
3位 フェラーリ 297.5
4位 マクラーレン・メルセデス 258
5位 アルピーヌ・ルノー 137
6位 アルファタウリ・ホンダ 112

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