日本のモータリゼーションとともに月刊モーターマガジンは発行を重ね、今号で800号を迎えた。その間、約67年。自動車業界は今、100年に1度という大変革期を迎えている。そこで、この特集では日本を代表するメーカーやインポーターのキーマンにインタビューし、近未来の展望やカーボンニュートラルへの取り組みなどを訊くことにした。訊き手:Motor Magazine編集長 千葉知充(Motor Magazine2022年3月号より)

いまやカーナビゲーションがないドライブは想像すらできないほど日常に溶け込んでいる。だが、すでにパナソニックは次の一手を着々と準備しているようだ。ここではパナソニック株式会社 オートモーティブ車インフォテインメントシステムズ事業部 市販・用品ビジネスユニット長 荻島亮一 氏に、2022年に描く将来への展望を訊いた。

画像: 【Profile】荻島亮一 :1992年 松下電器産業(現パナソニック)入社。1997年カーシステム事業部ナビゲーション設計室に配属される。以来、カーナビゲーションの商品開発・設計畑を歩み数々のプロジェクトを歴任してきた。2017年よりインフォテイメントシステムズ事業部 市販・用品ビジネスユニット長に就く。

【Profile】荻島亮一 :1992年 松下電器産業(現パナソニック)入社。1997年カーシステム事業部ナビゲーション設計室に配属される。以来、カーナビゲーションの商品開発・設計畑を歩み数々のプロジェクトを歴任してきた。2017年よりインフォテイメントシステムズ事業部 市販・用品ビジネスユニット長に就く。

カーナビゲーションは進化の途上、コネクテッドの進化で新境地

本誌 千葉知充(以下、MM) 2021年12月に発売開始されたカーナビゲーションの最新作「ストラーダFシリーズ」が好評です。実質的なフルモデルチェンジと言われていますが、その特徴、そしてどのような新技術を採用しているのか教えてください。

荻島亮一氏(以下、荻島) まずは地図の鮮明さですね。「HD美次元マップ」と呼んでいますが、HD解像度とすることで、さらなる高画質化を達成しました。そして外からは見えないのですが中身のプラットフォームを刷新することで動きが格段に速くなり、ストレスのない操作感を実現できたのです。地図も手に吸い付くような感じで動かせます。ルート探索も高速化していて、たとえば旧モデルがルート探索する時間でルートの探索ができます。

MM ストラーダと言えば、2020年に発売された先代モデルで、有機ELディスプレイを採用して話題となりました。

荻島 はい、今回も10V型画面のフラッグシップ機「F1X10BH」には、市販AV一体型カーナビ唯一となる有機ELを使っています。これは2020年秋に初めて世に出しましたが、お陰様で好評をいただき今回は、その第二世代となります。
HD高精細で表示量は数倍になっており、ふつうに考えれば表示スピードに時間がかかってしまいますが、今回はCPUをより高速・高性能タイプに変更しオペレーティングシステムを含めプラットフォームを一新することで、高速描画が実現できました。そういう意味でも、フルモデルチェンジと言って差し支えないと思います。

画像: 「ストラーダF1X10BH」。10V型有機ELディスプレイによる、圧倒的高画質を実現している。

「ストラーダF1X10BH」。10V型有機ELディスプレイによる、圧倒的高画質を実現している。

MM 有機ELディスプレイ採用のメリットは、ほかにもありそうですね。

荻島 はい。とにかく薄いので狭い車内でも大画面なのに圧迫感がなく、非常にスタイリッシュです。さらに、上下左右スライドと前後左右の角度調整ができるフローティング構造も当社独自の技術です。フローティング構造を採用しながらも、走行中の画面の振動を抑制して、470車種以上に取り付けできます。
10V型以上の画面も技術的には可能ですが、これ以上大きいとスイッチ類との干渉など車内という限られた空間で使うのには、少し無理が出てくる。ちなみに7V型モデルでも高精細地図を使っているので、小さいながらも見やすい表示です。

MM ところで最近のクルマには、いわゆるADASを始め、いままでになかった機能が続々と搭載されるようになっています。カーナビゲーションも今後大きく変化するのでしょうか。

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