8年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施した新型2シリーズクーペ(G42)。今やコンパクトクラスでは希少な存在となったFRを基本とする駆動レイアウトを守り、新たなデビューを飾った。トップモデルに位置する3Lターボの4WD仕様を試乗した。(Motor Magazine 2022年3月号より)

大幅に改善された空力特性

2013年に1シリーズから派生した1シリーズクーペ(F22)は昨今のコンパクトクラスでは稀なフロントエンジンの後輪駆動(FR)レイアウトを持っていた。全長およそ4.5m以下のセグメントにおけるFR車はスペースおよびコスト効率が悪くビジネス的には難しいと言われており、FFレイアウトをベースとする2シリーズグランクーペ(F44)がそれに代わるものと思われていた。

しかしBMWはコンパクトFRスポーツモデルの伝統を守って、2シリーズクーペのフルモデルチェンジを敢行した。

ミュンヘン近郊での公道試乗会に用意されたのは、トップモデルのM240i xDriveである。ボディサイズは、全長4537×全幅1838×全高1404(ルーフフィン含む)mmで、従来型より105mm長く、64mm幅広い。プラットフォームは4シリーズ/3シリーズと同じ後輪駆動用アーキテクチャー「CLAR」を採用する。ホイールベースは2741mmと、従来型より51mm延長された。

ボディデザインは、ロングノーズ&ショートデッキの典型的な後輪駆動プロフィールで、空力特性は大幅に改善されてCd値は0.30、ボディリフト係数は50%低減されている。またキドニーグリルはM3/M4のようなビッグな縦長ではなく、他の2シリーズのそれに近いデザインが採用された。 

切れ長のヘッドライトユニット内には、LED円形シングルヘッドライトが収まる。またフロントスカート左右には三角形のエアインテーク、その下にはマットブラックのリップスポイラーが左右へと伸びている。さらに新デザインのM専用ドアミラー、前後ブリスターフェンダーを繋ぐ彫りの深いサイドシルがボディを引き締めているのが印象的である。

そしてCピラーの根元に復活した「ホフマイスターキンク」は、クラシックなBMWファンが喜ぶに違いないデザインアイコンだ。

一方リアエンドは抑揚の大きなLEDライトユニット、そしてトランクリッド端にはエアスプリッター、リアバンパーにはM専用デザインのディフューザーと左右に台形のマフラー開口部が並んでいるのが特徴だ。

画像: 新型は4シリーズなどのプラットフォームを採用。ホイールベースも従来型より延長、直進安定性はさらに向上した。

新型は4シリーズなどのプラットフォームを採用。ホイールベースも従来型より延長、直進安定性はさらに向上した。

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