クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。これまでMotor Magazine誌で掲載した長期レポート車ボルボ V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプションを紹介していこう。走行距離こそ少ないが相変わらず13.4km/Lと好燃費だ。編集部の充電設備は、先約があると使えない状態だがそれでも月に4〜5回は満充電にすることができる。今回はV60のパワートレーンについて触れてみたい。(Motor Magazine 2020年1月号より)

重さを感じさせない軽快な走りっぷり

ボルボのプラグインハイブリッド(PHEV)モデルには「ツインエンジン」という名前がつけられている。エンジンとモーターという、ふたつの動力源を持っているという意味だ。そしてツインエンジンにもT8とT6があり、長期テスト車は「T6 ツインエンジン」である。

ではこの2車でどこが違うのだろうか。実はモーターの性能に違いはない。両者ともフロントモーターの最高出力/最大トルクが34kW/160Nm、リアモーターは65kW/240Nmである。当然、同じモーターを搭載しているので充電電力使用時走行距離の48.2km(実はこの走行距離も2020年モデルから長くなっているが、そのあたりは改めて書いてみたい)もまったく同じである。

画像: V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプションはターボとスーパーチャージャーでダブル過給するパワフルなエンジン。

V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプションはターボとスーパーチャージャーでダブル過給するパワフルなエンジン。

違いはそう、エンジンにある。T6とT8ともに2L直4で、ターボとスーパーチャージャーによるダブルで過給している。ただ、そのパワーに違いがあり、最高出力/最大トルクは前者で253ps/350Nm、後者で318ps/400Nmを発生している。インスクリプションのT6ツインエンジンとT8ツインエンジンの価格差は約71万円あるが、それはほぼエンジン出力の差というわけだ。

だからと言ってT6ツインエンジンが非力なわけではない。それは長期テスト車としていろいろなところに出かけて肌で感じていることだ。逆に同じセグメントの競合車と比べてもパワフルだと言えるだろう。モーターやバッテリーを搭載するため車両重量はT5比で300kgほど重く、2トンを超えているがそんなことをまったく意識させず実に軽快に走ることができる。

さて、ボルボのツインエンジンを気に入っている理由は他にもいくつかあるが、そのひとつが高級感あるATセレクターだ。スウェーデンのオレフォス社製クリスタルを使ったそれは眺めていてもうっとりするし、触り心地、握った感触も実にいいのである。ぜひ下の写真をじっくりと見て欲しい。

そんな折、2020年1月号の第一特集でボルボ S60 T6ツインエンジンに試乗したら、なんとこのATセレクターが新しいデザインに進化していて驚いたが、これはこれでまた実にいいのである。どんなデザインになったか・・・それは特集をぜひ見てください。

画像: スウェーデンのオレフォス社製クリスタルを使ったATセレクターはとても高級感がある。

スウェーデンのオレフォス社製クリスタルを使ったATセレクターはとても高級感がある。

■第4回/2021年10月24日~11月22日(4カ月目)のデータ
・オドメーター:6332km
・走行距離:801km
・給油量:59.7L
・実燃費:13.4km/L

ボルボ V60 T6 ツインエンジン AWD インスクリプション 主要諸元

●全長×全幅×全高:4760×1850×1435mm
●ホイールベース:2870mm
●車両重量:2030kg
●エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
●総排気量:1968cc
●最高出力:186kW(253ps)/5500rpm
●最大トルク:350Nm/1700-5000rpm
●モーター最高出力:34kW/2500rpm(前)、65kW/7000rpm(後)
●モーター最大トルク:160Nm/0-2500rpm(前)、240Nm/0-3000rpm(後)
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:AWD
●燃料・タンク容量:プレミアム・60L
●WLTCモード燃費:13.7km/L
●タイヤサイズ:235/45R18
●車両価格(税込):759万円(当時)

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