「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、2011年3月に日本で発表された2代目サーブ 9-5を紹介しよう。当時、GMの経営破綻から生まれ変わった新生サーブ初の本格的なニューモデルとして、サーブ 9-5は13年ぶりとなるフルモデルチェンジを果たして大きな注目を集めていた。

サーブ 9-5(2011年:2代目フルモデルチェンジ)

画像: 新型9-5のスタイリングは、2006年に発表されたコンセプトカー「エアロX」がベースとなっている。

新型9-5のスタイリングは、2006年に発表されたコンセプトカー「エアロX」がベースとなっている。

2011年春に発表されたものの震災の関係でデリバリーが遅れていたサーブのフラッグシップ「9-5」にようやく試乗することができた。試乗車は300psと400Nmを発生する2.8LのV6ターボを4輪で駆動する「9-5 エアロ」だ。

いわゆるEセグメント、日本的に言えばアッパーミドル セダンに属する9-5だが、全長は5mを超え、幅も1.9m近い。日本車ならひとクラス上のクラウンマジェスタよりさらに長く、けっこう大きい。だが、航空機メーカーをルーツに持つだけあって空力を重視して引き締まったボディは、実寸ほどの大きさを感じさせない。コンベンショナルな4ドアセダンなのだが、かつての名車「900」をも彷彿とさせるシルエットも独特だ。サーブ信奉者にはたまらないラインだろう。

インテリアも現代風にアレンジされているが、そこかしこにサーブの伝統が感じられる。ドライバーを包み込む逆L字型のインパネ、目に優しいグリーンの指針、そしてイグニッションはボタン式になったが、シフトの脇にある点も踏襲されている。

そのボタンを押してエンジンをかけ、スタートする。試乗車の9-5 エアロはトップグレードで、2.8LのV6ターボエンジンで4輪を駆動する(サーブでは4WDではなくXWDと呼んでいる)。 オランダのスパイカー傘下となった(編集部註:2011年当時)サーブだが、新型9-5のベースはGM時代のオペル インシグニア(ベクトラの後継車)だ。したがって、パワートレーンやシャシも流用している。

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