2022年10月31日まで、横浜横須賀道路の釜利谷ジャンクション〜朝比奈インターチェンジ間では、リニューアル工事に伴い終日車線規制が行われている。その現場で活躍している「ロードジッパーシステム」について紹介しよう。

1個680kg!のコンクリート製防護柵を迅速かつ安全に移動

画像1: BTMによる作業風景。写真の右側から左側に走行してコンクリート製防護柵を移動させる。

BTMによる作業風景。写真の右側から左側に走行してコンクリート製防護柵を移動させる。

「ロードジッパーシステム(Road Zipper System)」とは、高速道路工事で車線規制用に使われるコンクリート製防護柵の設置位置を、BTM(Barrier Transfer Machine:バリア トランスファー マシン)と呼ばれる専用の防護柵切替車両により移動させることができるシステムだ。

コンクリート製の防護柵だが、その重さはなんと1個680kgとひとつ動かすだけでもヘロヘロになってしまいそうな数値である。 そこで、このシステムを導入することで、これまでは困難だった工事規制範囲の変更を迅速かつ安全に実施できるようになった。

BTMは、床下に緩やかなS字型のガイドレーン(コンベア)を装備し、その両側に取り付けられた車輪部(ローラー)が通過時にブロックを挟み込んで持ち上げ、最高15km/hで走行しながら移動させ、まるでジッパーのように車線の切り替え作業を行う。

このシステムは米国のLINDSAY社が開発・製造・販売を行っており、日本ではNEXCO東日本イノベーション&コミュニケーションズ(NI&C)が国内での販売・リースなどを実施している。

画像2: BTMによる作業風景。写真の右側から左側に走行してコンクリート製防護柵を移動させる。

BTMによる作業風景。写真の右側から左側に走行してコンクリート製防護柵を移動させる。

ロードジッパーシステムの導入には、以下のようなメリットがある。

●工事規制等において通行車線と作業エリアをコンクリ-ト防護柵にて完全に分離することによる「安全性の向上」
●車線規制の切り替え等、規制を迅速に実施することによる工事全体の「作業効率性の向上」
●ユーザーの利用が多い時間帯に合わせた工事規制範囲・通行車線数の変更による「工事規制渋滞の抑制」

だが、BTMはもともとアメリカ仕様であったため、日本で使用するには形状寸法が大きく規制範囲も広かった。しかも、トンネル内をはじめとるす路肩の狭い場所での使用は困難だった。そこで、日本の道路事情に合わせ、従来よりもひとまわり小さく設計された新型「Nクラス(NはNarrow=狭いを意味する)」をLINDSAY社と共同で開発・製作し、2021年6月に導入さた。

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