スタイリッシュなオープン2シータースポーツ「メルセデスAMG SL」に2L直列4気筒ターボエンジンを搭載するエントリーグレード「メルセデスAMG SL43」が追加された。伝統あるラグジュアリースポーツにふさわしく、F1マシンからフィードバックされたターボテクノロジーをひっさげて、新たな「時代」を切り拓こうとしている。

「時代」はラグジュアリースポーツにも「優しさ」を求めている

7代目の「SL」は2021年10月にフルモデルチェンジを果たしたばかり。メルセデス・ベンツではなく、メルセデスAMGブランドとして、新生デビューを果たした。 とはいえ、伝統のフラッグシップスポーツとしての威厳や華麗さは、まったく色あせてはいない。

画像: 新型SL 43のボディサイズは、全長4705×全幅1915×全高1359mm。シルエットは伸びやかで美しい。ホイールベースは2700mmだ。

新型SL 43のボディサイズは、全長4705×全幅1915×全高1359mm。シルエットは伸びやかで美しい。ホイールベースは2700mmだ。

そんな新型SLに初めて「43」のナンバリングが冠された。搭載されるのは、70年近いSLの歴史の中でやはり史上初となる、直列4気筒ターボユニットである。本当に威厳は失われていないのか? と、ちょっと心配になる向きがあるかもしれない。

日本未発表の最新型はSL63、SL55ともに4LのV8ツインターボユニットを搭載している。最強のSL63 4マティック+は585ps/800Nmを発生。0→100km/h加速は3.6秒、最高速は315km/hに達する、まさにモンスターだ。

対して新設されたSL43のスペックは、最高出力381ps/最大トルク480Nm。0→100km/hは4.9秒。最高速は270km/hと、それなりに「控えめ」ではある。しかしその本領は、エミッション性能を見なければわかりはしない。

直4ユニットのWLTPモード燃費はリッターあたり10.6~11.2km。V8は出力控えめの「SL55 4マティック+」でさえ7.7~8.2km。つまり、およそ26%ほど改善されている計算になる。CO2排出量も直4が201〜214g/km、V8では277〜294g/kmとずいぶん差がある印象だ。

小排気量の直列4気筒でも、ドライバビリティはピカイチ

エントリーSLとしては過去、6代目(R231型)に3L V6ツインターボ(276M30)と9速AT(9G-TRONIC)を組み合わせたSL400が設定されていた。最高出力は367ps、最大トルクは520Nm。0→100km/h加速:4.9秒というパフォーマンスは、新しい直4ユニットも変わらない。

画像: 最大17万回転まで対応するターボチャージャーは、48ボルトの電気システムを介して作動する。アイドル時からのつきも優れているようだ。

最大17万回転まで対応するターボチャージャーは、48ボルトの電気システムを介して作動する。アイドル時からのつきも優れているようだ。

優れた環境性能とパフォーマンスを両立している技術的ハイライトは、F1譲りの電動化テクノロジーが盛りこまれた、ターボチャージャーシステムにある。いわゆる「ターボラグ」を抑制することで、ドライビングフィールをよりダイナミックでリニアリティに富んだものに進化させているのだ。

機構的な特徴と言えるのが、排気側のタービンホイールとフレッシュエアを導入するコンプレッサーホイールの間のチャージャーシャフトにビルトインされた、およそ4cm幅のスリムな電気モーターだ。排出ガスによる十分な圧を高める前の領域から、48V電気システムで駆動するモーターがコンプレッサーホイールの駆動をアシストすることで、素早く空気を導入、エンジンの応答性を高めてくれる。

17万rpmまで対応するハイレベルのエアフロ―から生み出されるドライバビリティは、スペック以上にダイナミックで機敏なものになる。停車時からの俊敏性、加速性能が最適化されるだけではない。アクセルオフやブレーキング時にも電動ターボチャージャーが過給圧を維持してくれるので、どんな領域から素早くレスポンスさせることが可能になったのだ。

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