トヨタが発表した初の量産バッテリーEV「bZ4X」が話題を呼んでいる。斬新なデザイン、先進性だけでなく、「KINTOを使ったサブスクのみ」というかつてない販売形式が若い層を中心に注目されているようだ。一方の「KINTO」はといえば、2019年のサービス開始からわずか3年で多彩な事業を展開し始め、クルマを巡るさまざまなライフスタイルを提案してくれそうだ。

なぜbZ4Xはサブスクだけで販売? そこにはKINTOの進化があった

2022年4月に中1日の間を空けて正式発表されたトヨタ bZ4X(ビーズィーフォーエックス・4月12日)とスバル ソルテラ(4月14日)は、兄弟車でありながら販売スタイルが決定的に異なっていた。ソルテラはディーラーで普通のクルマと同じように販売される。だがbZ4Xは個人向けに、トヨタ独自のサブスクリプションサービス「KINTO」でのみの取り扱いとなる。

画像: 2021年12月1日に、より気軽に利用が始められる初期費用ゼロのプランと、中途解約にかかる解約金をゼロにするとともに契約時に設定した利用期間の満了後も引き続き使えるフリープランが加わった。

2021年12月1日に、より気軽に利用が始められる初期費用ゼロのプランと、中途解約にかかる解約金をゼロにするとともに契約時に設定した利用期間の満了後も引き続き使えるフリープランが加わった。

KINTOは車両価格とともに税金、自動車保険、メンテナンス費までコミコミで「月々いくら」のリース契約だ。すべての契約はWebで完結。「解約金フリープラン」や「初期費用フリープラン」といった、ニーズに合わせたサービス設定もある。

それにしてもなぜにbZ4Xはサブスクだけなのだろうか。トヨタの公式発表によれば、今回のリース販売の目的は大きく分けてふたつ挙げられている。ひとつは「お客様の不安解消」、そしてもうひとつは「カーボンニュートラルへの貢献」だ。

ここで言う「不安」とは電池性能、メンテナンス、残価などBEVに対して抱きがちなデメリットに関するものであり、バッテリーを全数管理することでリビルト、リユース、リサイクルの3つの側面から環境保護に「貢献」する。

充実したサービスを、追加コストを抑えながら受けられる

シンプルに考えればKINTOによるサブスク化は、一般ユーザーが「電気自動車に乗る」ハードルを下げるための実験的施策と言えるかもしれない。

画像: 当初は5000台の限定販売。駆動方式、インテリアおよびエクステリアカラー、人気オプションをまとめたパッケージを選ぶこともできる。

当初は5000台の限定販売。駆動方式、インテリアおよびエクステリアカラー、人気オプションをまとめたパッケージを選ぶこともできる。

実際、「クルマを所有している気がしない」というデメリットだけ割り切ってしまえば、サブスク化によるメリットは確かに多い。フルメンテナンス付きで、故障修理に関しても広くカバーしてくれるなど、追加コストを抑えながら充実サービスを受けられる安心感はやはり大きい。

さらに、技術革新や経年劣化に合わせてソフトウェア・ハードウェアの機能や最新のデバイスをタイムリーに反映してくれる「KINTO FACTORY」のサービスにも注目したい。ユーザーの手元に渡ってからも、bZ4Xは常に進化を続ける。売りっぱなしではないのだ。

だとすれば、スバルも同じシステムを導入すればよかったのでは? と思われるかもしれないが、残念ながらスバル版「KINTO」は今のところ展開されていない。つまりはトヨタが今回、極めて挑戦的なセールスプログラムを実現することができたのは、「KINTO」の存在感が日に日に増しているからこそ、と言える。

ライフスタイルの多様化までサポートするKINTOの新展開

KINTOは、2019年7月から全国展開を開始した。菅田将暉や二階堂ふみ、矢本悠馬らの自然体な演技でも話題を呼んだ「やっぱクルマいいな」CMやTS CUBIC CARDとのポイント連携といった「応援キャンペーン」の効果もあって、着実に知名度を高めていった。

画像: 2022年4月からは「旧車を全力で楽しむコミュニティ『Vintage Club by KINTO』」のサービスがモビリティマーケット内で始動。初代ソアラ、セリカLBといった、往年のトヨタの名車たちをレンタルで利用できるようになっている。

2022年4月からは「旧車を全力で楽しむコミュニティ『Vintage Club by KINTO』」のサービスがモビリティマーケット内で始動。初代ソアラ、セリカLBといった、往年のトヨタの名車たちをレンタルで利用できるようになっている。

KINTOの事業展開が興味深いのは、単なる自動車販売の革新だけでなく、自動車を使ったライフスタイルの多様化をサポートする取り組みにも積極的だったことだろう。車中泊、リモートワークといったキーワードを絡めたキャンピングカー旅行のプレゼントキャンペーンのほか、ドライブインシアターと組んでの上映会協賛にもチャレンジしている。

そうした異業種とのコラボレーション活動は、2021年1月には「モビリティマーケット」というオンラインでのサービスプラットフォームに帰結する。体験型プログラムのほか、グルメ・レストランプラン、洗車といった実用性の高いサービスメニューが充実しているのが嬉しいポイントだ。

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