日本にはまだ2021年春にデビューしたEQSすらも上陸していないというのに、メルセデス・ベンツは矢継ぎ早に次のBEVを投入してきた。その車名は「EQE」。想像できるとおり、Eクラスに相当する車格の新型BEVにドイツ・フランクフルトで試乗した。(Motor Magazine 2022年6月号より)

EQSのテールゲートに対し、独立したトランクを持つEQE

ニューモデルEQEの外観は、EQSに倣った大胆なキャビンフォワードのフォルムをまとうが、サイズは全長4946×全幅1961×全高1510mmと全長で270mm短く、全幅で意外や35mm広く、全高はほぼ一緒ということになる。ホイールベースは3120mmで、EQSより90mm短い。

もし現行のEクラスから買い換えるとしたら、全幅がネックとなるだろうか。いや、実は全長は変わらなくてもホイールベースが長いだけに取り回しも苦労しそう・・・というわけで、後輪操舵機構も設定される。後輪操舵角には2タイプがあり、標準で4.5度と大きいが、最大10度という仕様も選べる。この機構の設定は、EQSと同じである。

EQEの一番の違いは、EQSがテールゲートを持つのに対して、こちらは独立したトランクルームを持つセダンボディとなっていることだ。これは、Eクラスセダンの顧客の大半を占めるに違いないビジネスユース、とくにドイツのカンパニーカーとしての使われ方への配慮という面もあるだろうが、実際のところは後席ヘッドルームのための選択でもある。EQSより全長が短い分、頭部後方にゲートヒンジを置く余裕がなくなっているわけだ。

室内スペースはキャビンフォワードとロングホイールベースの恩恵でEクラスセダンに対して前後長が80mm長く、ショルダールームも27mmの余裕を得ているという。着座位置が高いのは床下にバッテリーを敷き詰めた構造のせいだが、おかげで後席の足元は広々している一方で、頭上スペースはギリギリといったところだ。

さらに、トランクルームの積載容量は430Lに留まる。Eクラスセダンに較べると100Lほど小さく、それこそゴルファー諸氏などはその違いがどれほどなのか気になるところに違いない。

画像: 一見しただけだと、その流麗なクーペフォルムからテールゲートを備えているかのように思えるが、独立したトランクを備える。

一見しただけだと、その流麗なクーペフォルムからテールゲートを備えているかのように思えるが、独立したトランクを備える。

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