2022年に日本で発売されることが明らかになっているホンダの新型SUV「ZR-V」は、いったいどんなクルマなのだろうか。ここではライバルとなるであろうモデルから予測しながら、その姿を探ってみよう。

最大のライバルはカローラクロスか

「ホンダZR-V」はCR-Vとヴェゼルの中間に位置づけられるコンパクトSUV。2021年4月に発売されたヴェゼルはコンパクトカーのフィットをベースに開発されたモデルで、サイズを見るとフィットよりも全長×全幅をやや大きくした程度だが、①広い居住空間、②それでいて取り回しよく、③キビキビと走り、④手頃な購入価格、⑤優れた低燃費性能、といった点が高く評価されている。2021年度の販売台数ランキングでは、コンパクトミニバンのフリードに次ぐ9位、約6万台を記録するほどの人気を誇っている。

■ホンダ ヴェゼル(2021年4月23日フルモデルチェンジ)

画像: 広い室内とインパクトのあるフォルムが魅力のホンダ ヴェゼル。

広い室内とインパクトのあるフォルムが魅力のホンダ ヴェゼル。

ヴェゼル 概要
全長×全幅×全高:4330×1790×1590mm
ホイールベース:2610mm
1.5L直4ガソリン車:227万9200円〜249万9200円
1.5L直4ハイブリッド車:265万8700円〜329万8900円
【ホンダ フィットの全長×全幅×全高:3995×1695×1565mm、ホイールベース:2530mm】

ただし、アウトドアライフを思いっきり楽しみたい、どこへでも行けるタフな走行性能も欲しい、せっかくSUVを購入するならライフスタイルを演出できるプラスアルファの満足感がほしい、ということになると、もう少しだけ上級モデルをということになる。そうしたニーズに応えるのが、CR-Vとヴェゼルの中間に位置づけられる「ZR-V」だ。

これをトヨタのラインナップで考えると、RAV4とヤリスクロスの間を埋めるモデルとして開発されたという「カローラクロス」がZR-Vのライバルとして浮かび上がる。

■トヨタ カローラクロス(2021年9月14日発表)

画像: 扱いやすいサイズと使い勝手の良さが光るトヨタ カローラクロス。

扱いやすいサイズと使い勝手の良さが光るトヨタ カローラクロス。

カローラクロスは一見カローラツーリングの車高を上げてSUVに仕上げただけのようにも感じられるが、実は本格派SUVとして新たにデザインし直されている。パワートレーンは1.8L 直4ガソリンエンジンと、これをベースにしたエンジン+モーターのハイブリッドを用意。エンジン車は2WD(FF)のみだが、ハイブリッド車には後輪をモーターで駆動する電気式4WD(E-Four)も設定されている。

カローラクロスの車両価格はヴェゼルとほぼ同価格帯。そのため、上位モデルにあたるZR-Vはヴェゼルよりも少し上に設定されるはずだ。そう考えてもカローラクロスは強敵になることだろう。

カローラクロス 概要
全長×全幅×全高:4490×1825×1620mm
ホイールベース:2640mm
1.8L直4ガソリン車:199万9000円〜264万円
1.8L直4ハイブリッド車:259万円〜319万9000円

■マツダ CX-30(2019年9月20日発表、2021年10月28日一部改良)

CセグメントのクロスオーバーSUVでいえば、マツダの「CX-30」もライバルとしてはずせない選択だ。

「マツダ CX-30」は、CX-3とCX-5の中間に位置するクロスオーバーSUV。エクステリアは、マツダのデザインフィロソフィである「魂動デザイン」のもと、ボディはスリムで伸びやかな上部と、黒いガーニッシュでSUVらしく力強い下部を同時に表現している。

全長4395×全幅1795×全高1540mmというサイズは、市街地や縦列駐車などで取り回しが良く、最低地上高は175mmと少し高めとしながら、自然な乗降性を確保している。

パワートレーンに豊富なラインナップを用意し、2L直4ガソリンの「SKYACTIV-G 2.0」、1.8L直4ディーゼルターボの「SKYACTIVーD 1.8」、革新的な燃焼制御技術SPCCIを採用した2L新世代ガソリン「e-SKYACTIV X」の3種。組み合わされるトランスミッションはガソリン/ディーゼルエンジンに6速ATを用意する一方で、6速MTを選択(ガソリンエンジン車)できるという、SUVとしては珍しいラインナップも持ち合わせる。駆動方式は、いずれも2WD(FF)と4WDが設定される。

画像: 流麗なデザインと上質なインテリアで人気のマツダCX-30。

流麗なデザインと上質なインテリアで人気のマツダCX-30。

CX-30 概要
全長×全幅×全高=4395×1795×1540mm
ホイールベース=2655mm
2L直4ガソリン車:239万2500円〜303万0500円
2L直4ディーゼルターボ車:288万7500円〜330万5500円
2L直4ガソリンスーパーチャージャー(MHEV)車:288万7500円〜371万3600円

■スバル XV(2017年4月6日フルモデルチェンジ、2021年12月16日一部改良)

「スバル XV」もホンダZR-Vのライバルとなる1台だろう。

XVは5ドアハッチバックのインプレッサをリフトアップして、フェンダーやバンパーなどにオフローダーをイメージさせるボディパーツを装着、クロスオーバーSUVに仕立てられたモデル。ライバルとの違いは、コンパクトなボディによる取りまわしの良さに加え、アクティブトルクスプリットAWDやX-MODEを1.6iを除く全車に採用して本格SUVとしている点があげられる。

エンジンはスバル伝統の水平対向4気筒エンジン、2Lと1.6Lの2本立て。実用域トルクを厚くすることで、低燃費と胸のすく中間加速を両立させた水平対向エンジンもアピールポイントになっている。

画像: 独自の4WDシステムと水平対向エンジンが特徴のスバルXV。

独自の4WDシステムと水平対向エンジンが特徴のスバルXV。

スバルXV 概要
全長×全幅×全高:4485×1800×1550mm
ホイールベース:2670mm
1.6L対4ガソリン車:220万円〜223万2000円
2L対4ハイブリッド車:265万1000円〜295万9000円

ちなみに、「ホンダZR-V」のボディサイズはCR-Vとヴェゼルの中間、全長4562〜4590mm、全高1610〜1620mm、ホイールベース2640mm〜2660mmと推察されている。(ベースとなるシビックは全長×全幅×全高:4550×1800×1415mm、ホイールベース:2735mm)

パワートレーンはシビックと同様、1.5L直列4気筒直噴ガソリンターボと2L直列4気筒+デュアルモーターのハイブリッド(e:HEV)を設定、俊敏なレスポンスとシビックゆずりのサスペンションの採用などにより、扱いやすさと洗練された走り、そして操る喜びの両立を目指したとされる。

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