スペックシートを確認していたのでなんとなくは理解していたけど、これほどまでとは思っていなかった。1週間700km近くテストして、バッテリー容量が増えて、EV航続距離が増えたことの魅力がよく理解できた。以前、長期テスト車で導入していたXC60 T8 ツインエンジンよりも明らかにモーターが主役級の活躍をしている。(Motor Magazine2022年6月号より)

デザイン

2世代目となるXC60は、2017年に日本へ導入された。すでに5年近くが経過しているが、いまだに鮮度が保たれていて、まったく飽きの来ないデザインだ。もちろん、最新モデルはマフラーがリアバンパーの中に収められ、外からは見えないなど、変化しているが、それでも外観上の違いは最小限に留められている。また最近のミニバンや大型SUVにありがちな威圧的な表情も一切ないところも、好感度が高い。

運転支援機能(ADAS)

ADASの素晴らしさは、長期テスト車ですでに確認済み。前方だけでなく後方、死角からの接近、渋滞時のストレスの少なさ、衝突回避機能など、あらゆる場面でクルマに守られているという安心感が強い。「安全のボルボ」はすでに常識だ。

コネクティビティ

グーグルマップだけでなく「OK、グーグル」で多くの音声操作ができるグーグルアシスタントは、新しいXC60の大きな魅力である。音声認識率も優秀でストレスも少ない。さらにブルートゥースを使ってiPhoneと繋ぐと電話も使用できるのでとても便利である。

燃費性能

充電を最大限に活用するとPHEVのメリットが大いに活用でき、燃費データも好結果になる。たとえば、今回のテストでは、航続距離は最高で820km、平均燃費は17.8km/Lという表示もあった。机上の計算では満タンで17.8km×71L=1263kmも走れることになる。ディーゼル車をも凌ぐ、この足の長さは、実に驚きである。

1週間で800kmほど、給油しないで走り切り、それでもまだ燃料は半分近く残っていた。ちなみに試乗中は、常時エアコンは22度、シートマッサージを作動、spotifyで音楽を聴くなど、好燃費を出すために何かを犠牲にすることは一切しなかった。

車載機能の操作性

前述したように基本的なことはグーグルアシスタントを使い音声操作できるので走りながらも安全かつ便利だ。

画像: 1週間テストしたXC60 リチャージプラグインハイブリッド T(左)6と現在の長期テスト車両のXC60 B5。外観上の違いは充電口があるかないかぐらいだ。

1週間テストしたXC60 リチャージプラグインハイブリッド T(左)6と現在の長期テスト車両のXC60 B5。外観上の違いは充電口があるかないかぐらいだ。

安全性能

XC60に限らず、ボルボ車は安全装備、運転支援機能などはすべて標準で装備されている。つまりオプション料金を払って安全装備を加える必要がないし、オプション選択で迷うこともない。それでいて世界最高レベルの安全性能を持っている。

長距離運転の快適性

これはボルボの得意とするところだ。これまで何度も北海道や九州、北陸など日本全国をボルボ車を運転して訪れたが、いつも長距離ドライブの快適性には満足している。とくにお気に入りは、インスクリプションに標準装備されているリラクゼーション(マッサージ)機能付きシート。

長時間にわたり運転して疲れているはずなのにクルマから降りると元気になっているくらい癒し効果がある。これは長距離を走る人にはぜひ試してみることをお勧めしたい装備である。

官能性能

253ps、350Nmを発生する2L 直4ターボエンジンと前52ps/165Nm、後107ps/309Nmを発生するモーターのコラボレーションにより、実は刺激的な走りが味わえる。エンジンも実に軽快に回るので官能性能は高いと言えるだろう。決して退屈なPHEVではない。

車両価格の魅力

XC60のPHEVは、これまでのT8からT6となり価格が934万円となった。駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は、従来の10.4kWhから18.8kWhに約60%増え、充電した電力使用時の航続距離もこれまでの39.4kmから81km(WLTCモード)へと長くなり、PHEVとしての実力は向上している。

ちなみにT8との違いは、2Lエンジンの最高出力&最大トルクで、前後のモーターの出力/トルクはT8と同スペックである。

ステイタス性

ボルボの魅力は、これみよがしのスペックやステイタスではないが、乗ると高い満足感が得られるのは間違いない。

総合評価

パワートレーンの改良でこれまで以上に魅力的なモデルになった。不満点を探すのが難しいぐらい総合力もかなり高いと言っていい。長く乗っても満足感が長く続くモデルである。

画像: 総合評価

This article is a sponsored article by
''.