2022年5月29日、スーパーGT第3戦が鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが今季初優勝を果たした。ドライバーの千代勝正と高星明誠にとって、そして新型フェアレディZにとって初のGT500制覇となった。2位には17号車Astemo NSX-GT、3位に37号車keePer TOM’S GR Supraが入った。

イエローやセーフティカーが入り乱れる荒れた展開に

決勝前日に行われた予選では、2戦連続で19号車WedsSportt ADVAN GR Supra(ヨコハマ)がポールポジションを獲得。予選2番手には37号車KeePer TOM'S GR Supra(ブリヂストン)、3番手には3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z(ミシュラン)、4番手に16号車Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(ダンロプ)が続き、各自動車メーカー、各タイヤメーカーが上位を分け合う形となった。

決勝は5月とは思えない猛暑となり、気温は30度以上に上昇、マシン、タイヤにとって難しく、厳しいレースとなることが予想された。

2周のフォーメーションラップを消化してレースがスタート。ポールの19号車がトップのまま1コーナーをクリアする中、3号車がいきなり37号車をオーバーテイク。さらにオープニングラップの130Rの飛び込みで19号車も捉え、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが早々にトップに浮上した。

画像: スタートの1コーナーはポールの19号車がトップでクリアしたが、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが早くも2番手に上がっている。

スタートの1コーナーはポールの19号車がトップでクリアしたが、3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zが早くも2番手に上がっている。

その後、2周目に12号車のカルソニック IMPUL Zがスロー走行から逆バンクの外側にマシンを止めFCY(フルコースイエロー)、11周目には38号車ZENT CERMO GR SupraがS字でマシンを止めSC(セーフティカー)が導入される荒れた展開になっていく。

そんな混乱の中、トップをひた走る3号車は、21周目にピットストップして千代から高星にドライバーチェンジし、トップのままコースに復帰する。

折り返しの27周目を過ぎたところで、この日2度目のFCYとなるが、他のマシンを寄せ付けない速さを見せる3号車は、ライバル勢を上回るタイムで周回を重ねていき、30周目には2位以下に18秒差という大差をつけていた。

しかし、39周目に再びSCが導入され、3号車はこれまで築いてきたマージンを失う形となってしまう。それでも3号車をドライブする高星は落ち着いて、SC明けのリスタートを決め、一気に後続を突き放した。

画像: 2度のSC導入によりマージンを失うも、リスタート直後に後続を突き放す圧倒的な速さを見せる3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z。

2度のSC導入によりマージンを失うも、リスタート直後に後続を突き放す圧倒的な速さを見せる3号車CRAFTSPORTS MOTUL Z。

これで決着をつけた3号車は5秒前後のマージンを保ったままトップチェッカーを受け、日産勢として今季初優勝を達成した。2位には安定した速さを見せた17号車Astemo NSX-GTが、3位には37号車keePer TOM’S GR Supraが入り、またしても3メーカーが表彰台を分け合う形となった。

前戦富士で大クラッシュを経験した3号車。チームは短いスパンの中マシンを修復し、ドライバーたちも富士での事故を払拭する素晴らしい走りを見せてくれた。特に事故の当事者だった高星にとっては、せっかく作ったリードがSC導入でなくなるなど、決して楽なレースではなかったが、落ち着いてリスタートを決め、最後に相手の戦意を喪失させるほどの速さを見せた。

モヤモヤが残った第2戦から一転、第3戦鈴鹿は、なんとも清々しく、そしてドラマチックなレースだった。(写真:井上雅行)

画像: 応援してくれた日産応援団に応える高星明誠(右)と千代勝正(左)。

応援してくれた日産応援団に応える高星明誠(右)と千代勝正(左)。

2022 スーパーGT Round3 たかのこホテル SUZUKA GT 300km GT500クラス 決勝結果

1位 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)52周
2位 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)+4.549s
3位 37 KeePer TOM’S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)+4.832s
4位 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)+4.880s
5位 19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)+8.357s
6位 24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平)+10.429s
7位 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)+10.472s
8位 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)+13.278s
9位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)+14.304s
10位 36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)+15.362s
●ファステストラップ : 1'48.055 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z/千代勝正

2022 スーパーGT GT500クラス ドライバーランキング(第3戦終了時)

1位 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)26
2位 14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)26
3位 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐) 20
4位 17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)18
5位 8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺) 15
6位 23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)15

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