2009年のジュネーブオートサロンで、ベントレー史上最強(当時)となるコンチネンタル スーパースポーツがデビューした。「究極のベントレー」とは果たして、どんなモデルだったのか。2009年秋にスペインで行われた国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2009年12月号より)

優雅なGTスポーツカーが獰猛な猛禽類に

パテオに置かれた8台のコンチネンタル スーパースポーツによって、落ち着いたリゾートホテルのエントランスは異様なムードに包まれていた。

画像: リアも迫力十分。独特なデザインのアンダースポイラー、エンドパイプ、ワイドなリアフェンダーが異様なムードを漂わせる。

リアも迫力十分。独特なデザインのアンダースポイラー、エンドパイプ、ワイドなリアフェンダーが異様なムードを漂わせる。

日本人2人組に供される試乗車は、ホワイトパールに赤内装の1台。自動車外装用としては初の特殊塗装PVD(熱処理)が施されたディテールのブラックメッキが、優雅なGTスポーツカーの表情を180度変えている。獰猛な、猛禽類。そんな雰囲気だ。

隣のブラックにキャメル内装も相当に迫力があるし、流行りのつや消しブラック塗装もかなり攻撃的なオーラを発している。アジア担当広報のジェームズ・バークレーが「どの色が好みだい?」と聞くから、「この中だとブラック。買うならソリッドレッドか、意外にレーシンググリーンも似合うかもね」と答えたら、「じゃあ、オーダーだね」とウインクした。

彼はこの試乗会のために、わざわざイギリスからスペインまで自前のヘルメットを持ってくるほどのナイスなカーガイ。その腕を見込まれて、サーキット試乗会では同乗指導してくれるらしい。そういえば、ル・マン クラシックも走っていたっけ。

画像: 専用デザインの軽量鍛造20インチアロイホイールに、前後共に275/35ZR20サイズのタイヤを装着。

専用デザインの軽量鍛造20インチアロイホイールに、前後共に275/35ZR20サイズのタイヤを装着。

改めて、割り当てられたクルマを観察する。エアインテーク類で歌舞伎役者のようになった顔つきだけでなく、左右2.5cmずつ広められたリアフェンダーや、独特な形状のエンドパイプとリアアンダーバンパー、そして専用デザインの軽量鍛造20インチアロイホイール(日本ワシマイヤー製)が目立つ。

ドアを開けると、さらにクールな空間が待ち受けていた。コンチネンタル系では、初めてのカーボン基調のパネルとトリム。スパルコ製カーボンバケットシートは赤いレザーと黒いアルカンターラのコンビで覆われ、丁寧にダイヤモンドカットステッチが入っている。

一歩間違えるとどぎついコーディネートも、オトナの雰囲気が崩れていないのは、確かなマテリアル選びと縫製技術のおかげ。標準仕様は完全2シーターで、望めばリアシートを装備することも可能だ。カーボンバーは荷物滑落防止用らしい。ちなみに前席変更と後席レスでこのクルマの魅力のひとつである軽量化の6割以上を担う。

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