2022年7月17日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦が静岡県の富士スピードウェイで開催され、予選13番手の笹原右京(TEAM MUGEN)が大逆転で初優勝を飾った。2位には坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、3位には野尻智紀(TEAM MUGEN)が入った。野尻と熾烈なチャンピオン争いを繰り広げている平川亮(carenex TEAM IMPUL)はリタイアで痛恨のノーポイントに終わった。

チャンスをものにした笹原が初優勝!TEAM MUGENがチャンピオン争いをリードする

ドライ路面で行われた決勝レースは41周(アクシデントにより減算されて40周)で競われた。ポールシッターの関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)がホールショットを奪い、予選3位の野尻が坪井をパスし2位に浮上した。レースが動いたのは10周目、セーフティカー(SC)先導からのリスタート時のことだった。

画像: オープニングラップでいきなりアクシデントが発生。平川にとって痛恨のノーポイントとなってしまった。

オープニングラップでいきなりアクシデントが発生。平川にとって痛恨のノーポイントとなってしまった。

再開と同時にピットウィンドウも開くと2位の野尻がピットイン・タイヤ交換、ステイアウトを選択したトップ関口と坪井を追う展開に。しかし差をなかなか縮められず、十分なマージンを保った関口が25周でピットイン。インパルチームは5.3秒の早業で送り出し、事実上のトップでコースに復帰、このまま関口が引き離していくかに思われた。ところが、アウトラップの13コーナーで関口の左リアタイヤ脱落というアクシデントが発生、マシンを停めてしまう。

関口のうしろを走行していた坪井が26周目にピットインすると、出口に差し掛かったところでSC導入。坪井を追いたい野尻はスロー走行を余儀なくされてしまう。さらに、坪井の前でタイヤ交換のタイミングを遅らせていた笹原もここでピットイン、トップで復帰することに成功する。

31周目に再開。笹原がリスタートを決めると、2位の坪井を引き離して見事トップチェッカー。念願のスーパーフォーミュラ初優勝となった。2位には坪井が入り今季初表彰台を獲得、3位に野尻が入った。

「有言実行」を果たした笹原

画像: 田中監督と抱き合う笹原。シールドのわずかな隙間から見える目が、笹原の気持ちを物語っている。

田中監督と抱き合う笹原。シールドのわずかな隙間から見える目が、笹原の気持ちを物語っている。

「ほんとに言葉が・・・正直ちょっと思い浮かばなくて。チームの皆さん、そして応援してくださってる皆さん、本当にありがとうございます、というひと言ですね。とにかく感謝の言葉しかなくて」

レース後、笹原の第一声は感謝の気持ちと安堵感に満ちていた。笹原の速さは周囲からも十分に理解されていたがチャンスになかなか恵まれず、3シーズン目にして初めてつかみ取ったフル参戦だった。しかし、これが決まったのも「開幕直前」という厳しい状況。

開幕前に笹原は「速さと強さを照明するためにポールポジションと優勝は絶対に獲りたい」と語っていたが、開幕戦でいきなり「最速の称号」であるポールポジションを獲得した。速さを見せた笹原だったが、不運が重なり決勝での結果を残すことができずにいた。

今第6戦では予選13位と出遅れたものの、8分間のウォームアップで施した微調整に手応えを感じていたという。

関口のリタイアとSC導入と、笹原の優勝に運が必要だったが、レース再開後の後続に隙を与えない走りは素晴らしかった。シーズン前に己に課していた目標ふたつを達成した笹原は、残り4レースにおいても鍵になる存在となるだろう。(写真:日本レースプロモーション)

This article is a sponsored article by
''.