2022年7月17日、インディカーシリーズ第10戦がカナダのトロントで開催され、スコット・ディクソン(CHIP GANASSI RACING)が今季初優勝を飾った。2位にはコルトン・ハータ(ANDRETTI AUTOSPORT)、3位にはフェリックス・ローゼンクヴィスト(ARROW MCLAREN SP)が入った。予選19番手からスタートした佐藤琢磨(DALE COYNE RACING)はリタイアに終わっている。

3年ぶりの開催となったカナダ・トロントでの一戦

レース開始のオープニングラップは、ポールポジションのハータがトップで1コーナーを通過、大きな波乱なく終了。しかし続く2周目の2コーナーで3ワイドのバトルが勃発。1番外側にいた佐藤が押し出される形でウオールに激突。左フロントのサスペンションが折れる深刻なダメージを負ってリタイア。このアクシデントでフルコースコーションとなる。

レースは5周目にリスタート。10周目にアレックス・パロウ(CHIP GANASSI RACING)が真っ先にピットイン、レッドタイヤからブラックタイヤに履き替える。トップ集団では2位のディクソンが18周目にピットイン。トップのハータが続く19周目にピットインするも、タイヤのウォームアップを終えたディクソンにアンダーカットを決められてトップを譲る。

画像: ポールポジションスタートのハータがトップで1コーナーに入っていく。

ポールポジションスタートのハータがトップで1コーナーに入っていく。

中盤からレースは荒れ始める。45周目にローゼンクヴィストが、アウト側にいるアレクサンダー・ロッシ(ANDRETTI AUTOSPORT)ロッシを押し出してしまう。ロッシはウオールに激突してリタイア、再びイエローコーションが出てしまう。

タイヤ交換には少し早めのタイミングだが、イエローコーション中にほぼ全車がピットストップ。ステイアウトしたリナス・ヴィーケイ(ED CARPENTER RACING)とコナー・デイリー(ED CARPENTER RACING)が見た目上の1-2体制で50周目にリスタート。しかし56周目、今度はコースの一部の路面が剥がれてしまい、再びフルコースコーションとなる。このコーション中にデイリーがピットに入っている。

59周目にリスタートするも、カイル・カークウッド(A.J. FOYT ENTERPRISES)とジミー・ジョンソン(CHIP GANASSI RACING)が接触し2台ともコース上でストップ。4度目のフルコースコーションとなる。ここまでピットストップを引っ張っていたヴィーケイがタイヤ交換し、ディクソン、ハータ、ローゼンクヴィストというトップ3で67周目にレースがリスタート。

トップのディクソンが2番手ハータに対し2秒の差をつける中、3位のローゼンクヴィストがハータの0.6秒差まで詰める。トップのディクソンはハータとの差を守り抜きトップでゴール、今季初優勝を飾った。ローゼンクヴィストの猛追を凌いだハータが2位、ローゼンクヴィストが3位となった。

画像: ディクソンが優勝し(中央)インディカー歴代2位の優勝回数に並んだ。2位にはハータ(左)、3位にはローゼンクヴィスト(右から2人目)が入った。

ディクソンが優勝し(中央)インディカー歴代2位の優勝回数に並んだ。2位にはハータ(左)、3位にはローゼンクヴィスト(右から2人目)が入った。

ディクソンにとって待ち望んでいた今季初優勝。さらにこの優勝はトロントでの4勝目、そしてインディカー通算52勝目となり、あのマリオ・アンドレッティに並ぶ快挙である。そしてディクソンの優勝により、チャンピオン争いがさらに激化することとなった。

佐藤琢磨は痛恨のリタイア

画像: 不運なクラッシュでリタイアとなってしまった琢磨。スタートタイヤの選択、ストラテジーが正しく、上位フィニッシュが出来る可能性が高かったため悔しいリタイアとなった。

不運なクラッシュでリタイアとなってしまった琢磨。スタートタイヤの選択、ストラテジーが正しく、上位フィニッシュが出来る可能性が高かったため悔しいリタイアとなった。

後方からのスタートとなった佐藤は混雑する中団グループの洗礼を受けてしまった。予選こそ19番手と下位に沈んでしまったが、決勝朝のウオームアップでマシンの感触が良かったという。さらに、チームメイトのグラハム・レイホール(DALE COYNE RACING)が佐藤と同じ戦略で4位入賞を果たしているだけに、悔しい結果となってしまった。

次戦はアイオワで行われるショートオーバルのダブルヘッダーだ。佐藤は今シーズンショートオーバルでいずれも上位のタイムを残しており相性は良い。次戦2レースともトップグループに食い込む可能性も考えられる。

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