三菱自動車工業(以下、三菱)が技術支援する「チーム三菱ラリーアート」は、2022年6月27日・28日にタイ国内のオフロードコースで、アジアクロスカントリーラリー(以下、AXCR)2022年大会に出場する。その参戦マシンである「トライトン」競技車の耐久テストを、実施した。

本番に向けて順調な仕上がりを確認

AXCRは、東南アジア特有の大自然の中、約1週間かけて総走行距離2000km前後で競われる過酷なクロスカントリーラリーだ。例年8月に開催されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、残念ながら2020年と2021年は中止となった。

2022年は11月21日(月)~26日(土)に延期され、タイ東北部のブリラムからカンボジア北西部の世界遺産であるアンコールワットを舞台として開催されることになった。

画像: テスト走行中の「トライトン」競技車。

テスト走行中の「トライトン」競技車。

総走行距離は1700km程で、2022年もコースは山岳部、密林地帯、泥濘路、川渡り、砂漠、サーキットなど変化に富み、走破性と耐久性が問われる難コースが予想される。また、大自然が生み出す多くの予測不可能な気象条件や、複雑な地形を走るため、競技者とチームのスキルの両方が試される、過酷なクロスカントリーラリーだ。

チーム三菱ラリーアートの「トライトン」競技車は、国際自動車連盟(FIA)のグループT1カテゴリー(改造クロスカントリー車両)に合致させたラリーカーだ。タイ仕様のダブルキャブがベースで、ボンネット、前後ドア、内装部品などを軽量化して、ロールケージやアンダーガードを装着するなどボディの要所を補強。ラリー専用のサスペンションを装着して優れたハンドリング性能を実現するとともに、前後LSDの採用や大径オフロードタイヤ&軽量アルミホイールも装着し、悪路走破性を大幅に向上させている。

画像: フードや前後ドアパネルなどはカーボン製で軽量化が図られている。

フードや前後ドアパネルなどはカーボン製で軽量化が図られている。

搭載する2.4L ディーゼルターボエンジンは、フリクションロスの低減と軽量化を中心としたチューニングにより、主にラリーで使用頻度の高い中速域での応答性を向上させている。なお、AXCRのステージには川を渡る場面もあるため、各部のシーリングの強化やシュノーケル(吸気ダクト)の装着など、水回りの対策も行っている。

本番を想定して実施された高負荷の耐久テストは、主に車体とエンジンの信頼性・耐久性を確認。荒れたハイスピードの砂利道と道幅が狭く曲がりくねった荒れた林間コースを組み合わせた1周約10kmのコースでより本番に近いコース設定とし、ラリー車の性能確認を行った。「チーム三菱ラリーアート」の総監督である増岡浩は、以下のように述べた。

「トライトンは実績のある堅牢なシャシフレーム構造でありながら優れたハンドリング性能を持ち合わせており、市販車の素性を生かした必要最低限の軽量化を施し本戦に投入します。終始期待どおりのパフォーマンスを発揮、2日間のテスト走行で800km以上を走破し、本番に向けて確かな手応えを感じています」

「チーム三菱ラリーアート」の健闘に期待しよう。まずは、テストシーンの動画でそのパフォーマンスを確認して欲しい。

画像: 「チーム三菱ラリーアート」AXCR2022チャレンジ 耐久テスト#1 youtu.be

「チーム三菱ラリーアート」AXCR2022チャレンジ 耐久テスト#1

youtu.be

■トライトン 競技車 主要諸元

●全長×全幅:5300×1815mm
●ホイールベース:3000mm
●トレッド 前/後:1520/1515mm
●エンジン:直4 DOHCディーゼル+ターボ
●総排気量:2442cc
●最高出力:133kW(180ps)
●最大トルク:430Nm(43.9kgm)
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:スーパーセレクト4WD-II
●サスペンション 前/後:ダブルウイッシュボーン/リーフリジッド
●ブレーキ:4輪Vディスク
●タイヤサイズ:265/70R17(ヨコハマ ジオランダーM/T G003)

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