2022年8月7日、静岡県にある富士スピードウェイで2022 SUPER GT第4戦「富士GT 100ラップレース」決勝が行われ、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が逆転で優勝した。2位に11号車GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)、3位には18号車UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)が入った。

上位勢にトラブル続出

画像: 上位勢にトラブル続出

決勝直前に雨が降ったものの、決勝レースでは路面は乾きドライコンディションで行われた。ポールポジションを獲得した65号車LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥がスタートを決め、リードを築いていく。61号車の山内は4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也と2位争いを展開する。激しいバトルが続くが、7周目に4号車にパスされ3位に。

画像: 序盤2位につけ、65号車の脱落後はトップを快走していた4号車だが、まさかのタイヤバーストに。

序盤2位につけ、65号車の脱落後はトップを快走していた4号車だが、まさかのタイヤバーストに。

2位以下のバトルもあり、トップの65号車は順調にトップを快走し18周目にピットイン。しかしその際に右フロントから白煙が上がるアクシデントが発生。右フロントのハブにトラブルを抱えており、コースにマシンを戻すことができずガレージに入れてしまった。61号車と4号車が1回目のピットインを終える中、3番手につけていた10号車TANAX GAINER GT-Rはピットインを引っ張り逆転を狙っていたが、ピットインした際にエンジンがかからずこちらもガレージインしてしまう。

各車2回目のピットストップの義務を終え、トップは4号車、2位には11号車が上がり、61号車は3番手につける。途中でフルコースイエローが出るもトップの4号車が安定したペースで5年ぶりの優勝に大きく近づく。しかし77周目に左フロントタイヤがバースト。優勝目前でのトラブルで戦線を離脱してしまった。

画像: テールトゥノーズの戦いを繰り広げた11号車(右)と61号車(左)。

テールトゥノーズの戦いを繰り広げた11号車(右)と61号車(左)。

これでトップにたった11号車だったが、61号車が11号車より1秒以上速いペースで追い上げてきた。最終コーナーで61号車が仕掛けるも、ストレートで11号車が抜き返すバトルが数周にわたって展開される。立ち上がりスピードが勝る11号車が61号車の猛攻を防いでいくが、86周目のGRスープラコーナーで61号車が11号車をオーバーテイクすることに成功。トップに出た61号車は首位を守り切りそのままトップチェッカー。61号車の山内にとってこのレースがスーパーGT参戦100戦であり、記念すべき1戦を最高の形で終えた。

画像: チェッカードライバー山内を全身のガッツポーズで迎える井口。

チェッカードライバー山内を全身のガッツポーズで迎える井口。

勝負を分けたタイヤ戦略

見事な逆転優勝を果たした61号車だが、勝負を決めた後半スティントの速さには理由があった。それは第2スティントから投入したタイヤが影響しているという。スタートから1回目のピットストップまで履いていたタイヤに満足していなかったというドライバーの山内はもう一つのタイヤを履くことを決断。このタイヤのパフォーマンスがどうでるかは賭けであったが第2スティントを担当した井口が良いタイムで走り切ることができた。この結果を受けて最終スティントもこのスペックのタイヤを装着したことが終盤の追い上げを可能にしたのだ。

画像: 優勝を果たした61号車がランキング2位に浮上。56号車の対抗馬となるか。

優勝を果たした61号車がランキング2位に浮上。56号車の対抗馬となるか。

タイヤ戦略もあたり、勢いを取り戻した61号車は11号車と熾烈なトップ争いを繰り広げる。何度も最終コーナーで仕掛けるも、直線が速い11号車に抜き返されてしまう展開に、山内はGRコーナーでわずかにミスした11号車の動きを見逃さなかった。ドライバー力と的確な判断力によりランキング2位に浮上した61号車。重いウエイトを積みながらも着実にポイントを積み重ねる56号車は脅威だが、シリーズ折り返し点になってもここまで各車のポイント差は僅か。チャンピオン争いの行方はまだまだわからない。(PHOTO:井上雅行)

画像: 粘り強い走りを見せた56号車がランキング首位を「死守」。

粘り強い走りを見せた56号車がランキング首位を「死守」。

2022年スーパーGT第4戦決勝 GT300結果

1位 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)91周
2位 11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石井京侍)+5.959s
3位 18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)+17.520s
4位 60 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)+1L
5位 96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)+1L
6位 56 リアライズ 日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/J・P・デ・オリベイラ)+1L
7位 50 Arnage MC86(加納 政樹/阪口 良平/末廣 武士)+1L
8位 87 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3(松浦孝亮/坂口夏月)+1L
9位 88 Weibo Primez ランボルギーニ GT3(木暮卓史/元嶋佑弥)+1L
10位 360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木 孝行/田中 篤/柴田 優作)+1L

2022年スーパーGT GT300 ドライバーズランキング

1位 56 リアライズ 日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/J・P・デ・オリベイラ)38
2位 61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)29.5
3位 18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)26
4位 7 Studie BMW M4(荒 聖治/近藤 翼)21
5位 11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石井京侍)20
6位 10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき)15
7位 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(冨林勇佑/平木玲次)15
8位 34 BUSOU raffinee GT-R(柳田真孝/井出有治)12.5
9位 96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)12.5
10位 65 LEON PYRAMID AMG (蒲生尚弥/篠原拓朗)12

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