ミニバンクラスで初となる運転操作支援装置「プロパイロット」を搭載した。また、運転のしやすさとミニバンとしての使い勝手が多方面にわたって大幅に向上しているのがポイントだろう。(Motor Magazine 2016年11月号掲載)
画像: 【試乗】日産 セレナ ハイウェイスターGの運転操作支援装置「プロパイロット」を体験した

さらに広くなったキャビン

ライバルがひしめく2Lクラスミニバンの中で、高い人気を誇る日産「セレナ」がフルモデルチェンジを果たした。新型セレナと言えば、発売される前から「ミニバンクラス初の同一車線自動運転技術搭載」というテレビCMが流れ「早く実車で体感してみたい」と思っていた人も多いことだろう。かくいう私もそのひとりで、興味津々で試乗してきた。

実車を目の前にした印象は、従来モデルと比べ、フロントマスクはよりシャープになり、スポーティを前面に打ち出したデザインでとても好感が持てる。とくにボンネットからブラックアウト化されたAピラーにつながる鋭く尖ったデザインは非常に斬新で個性的。

スタイルもさることながら、ファミリー層がターゲットのこのクラスならではのありがたい機能「ハンズフリーオートスライドドア」の設定も嬉しい。これは子供を抱いたまま、荷物を両手で持ったまま、スライドドアの下に足先を入れるだけで自動でスライドドアの開閉が行えるとても便利な機能だ。ぜひ選択したいオプションのひとつだと言える。

画像: センターコンソール上部に大型のナビモニターを配置。メーターパネルは横に長く見やすいのが特徴的だ。

センターコンソール上部に大型のナビモニターを配置。メーターパネルは横に長く見やすいのが特徴的だ。

2列目シートに腰を下ろすと、従来モデルにも増してさらに開放感のある室内空間を実現している。それは3列目シートに座ったときも同じで、その理由にフラットなルーフトリム形状、ヘッドレスト形状、シートベルト内蔵セカンドシートなどが上げられる。

とくにシートベルト内蔵セカンドシートは、チャイルドシートを固定したままでもサードシートへの乗り降りができるなど、小さな子供がいる家族にはありがたい装備だろう。

運転席に座ると高級感が増したコクピットに目を奪われる。ピアノブラックのセンターコンソールパネルに9インチディスプレイや電動パーキングブレーキスイッチなどが配され、ひとクラス上の質感を味わわせてくれる。新型ではAピラー形状を細くしただけでなく、インストルメントパネルを10mm低くしたことで広々とした視界が確保されている。

次に一番のセールスポイントである「プロパイロット」を試す。使い方は簡単で、ハンドル右にある青い「PILOT」というボタンを押してから「セット」ボタンを押すだけ。このシステムは高速道路と有料道路で使用することを前提としているので、一般道で使用することはできないので注意したい。

結論から言うとなんの問題もなく「プロパイロット」を高速道路で使用できた。しかもほとんどの行程をそのモードで走行することができた。車線に沿ってハンドルを小刻みに自動操作するシーンを目の当たりにすると、これもぜひ選択したいオプションだと思えた。

新型セレナは「プロパイロット」がすべてではない、ミニバンとしての完成度、使い勝手の良さは従来モデルからさらに向上している。とくにリアゲートのデュアルバックドアは個人的には一番優れた機能と感じた。重たいバックドアを開けずに、ガラス部分が開閉できる機能は多くの人に評価されるだろう。

正直、このページだけでは紹介しきれないほど細かい工夫と改良が加えられた新型セレナが、販売台数でクラスナンバー1に返り咲くのは、もはや時間の問題かもしれない。(文:黒田健一/写真:小平寛)

画像: ウインドウ部分が大きくとられているのが特徴的。エンジンは2Lガソリンとハイブリッドをラインナップ。

ウインドウ部分が大きくとられているのが特徴的。エンジンは2Lガソリンとハイブリッドをラインナップ。

●主要諸元<セレナ ハイウェイスターG>
全長×全幅×全高=4770×1740×1865mm 
ホイールベース=2860mm 
車両重量=1700kg 
エンジン=直4DOHC 1997cc 
最高出力=110kW(150ps)/6000rpm 
最大トルク=200Nm(20.4kgm)/4000rpm 
モーター最高出力=1.9kW(2.6ps)
モーター最大トルク=48Nm(4.9kgm)
トランスミッション=CVT 
駆動方式=FF JC08モード燃費=16.6km/L 
タイヤサイズ=195/60R16 
車両価格=3,011,040円 
※取材車のボディーカラーはマルーンレッド/ダイヤモンドブラック。

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