住友ゴム工業は、国内市販用タイヤの出荷価格を改定する。タイヤ原材料である天然ゴムや石油化学系原材料が高騰を続けており、これを生産性向上やコスト削減などの企業努力だけで吸収することは困難であることから、今回の価格改定を決定した。
画像1: 【ニュース】ダンロップ/ファルケンも6月よりタイヤ値上げ 2017年4月5日

値上げ率(平均)

乗用車・バン用タイヤ(夏用) 6%
小型トラック用タイヤ(夏・冬用) 6%
トラック・バス用タイヤ(夏・冬用) 8%
建設車両用タイヤ(夏・冬用) 10%
産業車両用タイヤ(夏・冬用) 8%
農業機械用タイヤ 8%
二輪車用タイヤ(夏・冬用) 6%
その他タイヤ 8%
チューブ、フラップ 8%


なお、実施時期は夏用タイヤが6月1日、冬用タイヤが9月1日となる。

【解説】これでほぼすべてのタイヤブランドが値上げとなった

2月の横浜ゴムから始まった値上げの波も、これでほぼすべてのタイヤブランドの国内における市販用タイヤ値上げが発表されました。

ここまで天然ゴムや合成ゴムの価格が上がると、値上げはもう仕方のないことですね。

天然ゴムって、タイヤの原材料の約3分の1を占める重要なものです。

画像: 住友ゴムのプレゼンテーション資料より。

住友ゴムのプレゼンテーション資料より。

タイヤって工業製品なんですが、ラジオとかパソコンとかの工業製品と違うのは、「天然ゴム」っていう、いわばプランテーション作物に頼らなくてはならないものなんで、今回のような原材料の値動きに対するリスクがあります。タイヤメーカーにとって、天然ゴムの安定供給ってのは絶対必要。それが崩れると死活問題になりかねません。

もし天然ゴムをつくる「パラゴムノキ」が病原菌に冒されたら、最悪はその地域で全滅することだってなくはないわけです。事実、パラゴムノキの原産地はブラジルのアマゾン川流域なんですが、天然ゴムの生産がいま東南アジアに集中しているのは、ブラジルのパラゴムノキが病原菌で大打撃を受けたからだと聞きました。

なので、天然ゴム・プランテーションのメッカ、インドネシア・メダンにあるクアラナム空港では、SALB(南米枯葉病)の上陸を警戒しています。

タイヤメーカーはリスクにどう対応している?

ブリヂストンは、タイヤを作るだけでなく、パラゴムノキの病原菌を誰でも素早く見つけられるような診断技術を確立したり、

合成ゴム(ポリイソプレンゴム=IR)を、天然ゴム以上の性能を持つゴムに人工的に合成する技術を開発したりと、いろいろとリスク回避を考えています。

住友ゴムも、パラゴムノキのなかでどのように天然ゴムが作られるのか解明したり、

試験管の中で天然ゴムが合成できるように研究したり(なぜかニュースリリースはなし)、いろいろとやっています。

たぶん、今回紹介したブリヂストンや住友ゴム以外のタイヤメーカーも、同じような研究開発をしていることと推測します。世界中のタイヤメーカーは、いろいろなアプローチで、10年後20年後、50年後のタイヤのあり方を模索していると思います。

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