2017年5月から北米市場に投入されるフォルクスワーゲンのビッグサイズSUVアトラスは、2016年11月に開催されたロサンゼルスオートショーで世界初公開された。北米での販売開始よりひと足早く、この新型SUVに試乗することができた。(後編)前編を見逃した方はこちらから→http://web.motormagazine.co.jp/_ct/17074592
文:木村好宏/写真:Kimura Office

フォルクスワーゲン アトラスの仕上がりは文句なし。あとはどう売るか

 エンジンスタートボタンを押して挟角15度のV6エンジンを目覚めさせると、すぐに非常にスムーズなアイドリングが始まる。広大なリゾートホテルの敷地を出て、一般国道へ入り、アクセルペダルを踏み込むと2トンの巨体はスムーズで力強い加速を開始していく。

 0→60MPHや0→100km/hといった加速性能は公表されていないが、アメリカ流のシグナルGPにも十分なダッシュ力を持っている。またトルコンAT独自の途切れないシフトは、DCTでは味わえない世界を実現している。

画像: 北米だけでなく中国や中東での販売も計画されている。ただし、車名は「Teramont」となる。

北米だけでなく中国や中東での販売も計画されている。ただし、車名は「Teramont」となる。

 一方、電動パワーステアリングは他のMQBモデル同様に軽くて正確、さらに路面からのフィードバックも十分に伝わって来る。また、フロントにストラット、リアにはマルチリンクを組み合わせたソフトセッティングなシャシも快適なツーリングを約束してくれる。

 少し気になったのは、2トンという車両重量と全長約5mにまで成長したボディサイズである。不整路面を伴ったコーナーでの挙動は、少々ダイアゴナルな動きが感じられた。ひょっとするとMQBモジュラープラットフォームを使ったボディも、このサイズと重さが限界なのかもしれない。


 最後に価格だが、最廉価モデルの2LのFF仕様が3万500ドル(約333万円)からと、競合モデルであるホンダ パイロットやフォード エクスプローラーを下回る、非常に競争力の高い設定になっている。

 性能、仕上げ、そして価格と、三拍子揃ったアトラスは、大きな注目を集めることだろう。しかし、自動車という工業製品はそれだけでは成功するとは限らない。

 フォルクスワーゲン北アメリカのヒンリッヒ・ヴェッブケン社長は「市場にマッチした製品を投入し、ディーラーサービスを向上させ、見通しの良い組織にすることで、アメリカでの販売を立て直す」と語る。その成果を期待して見守ろう。

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