トヨタは、1980年代から自動車生産用のロボットを導入。以降、2005年の愛・地球博でのコンセプト提案から、2008年のパーソナルモビリティ発表、2011年の介護・医療支援発表と、人と共生する「パートナーロボット」の開発を進めてきた。
今回発表した「ウェルウォーク WW-1000」は、2007年末から藤田保健衛生大学と共同で開発したもので、2011年より実証実験を行ってきた。さらに2014年からは全国23の医療機関で臨床的研究に活用している。
価格は初期費用100万円、月額費用35万円(税抜・メーカー希望)。2017年5月より受注を開始、9月にデリバリー開始を予定している。
今後は海外展開も検討しているという。
脳卒中は日本において年間約30万人。そのほとんどで下肢の訓練が必要になる。このパートナーロボットを使ったリハビリ効率は1.6倍早くなっている、と、共同研究パートナーでもある藤田保健衛生大学の才藤栄一教授が説明した。
来たる少子高齢化社会に向けたトヨタの提案
今後、少子高齢化により、2050年には現役世代の負担が2000年比で3倍に増えるという。トヨタは、これらのパートナーロボットによる支援を行うことにより、2000年と同等の現役世代負担にするという理想のために開発を行っていると説明する。
今回の歩行練習アシストのリハビリロボット「ウェルウォーク WW-1000」だけでなく、バランス練習アシストロボット、立ち乗りパーソナルモビリティ「Winglet」、生活支援ロボット「HSR」、移動ケアロボット、対話ロボットなど、「すべての人に移動の自由を、そして自らできるよろこびを=Mobility for All」のビジョンで、パートナーロボットの開発を行っていく。
プレゼンテーションのなかで、説明を行ったトヨタ自動車 未来創生センター常務役員の磯部利行氏は「世の中を明るくしていく産業とはなにか? 以前からクルマというものがその役割を果たしてきたが、今後『健康で楽しく移動ができる』ということで、こういった役割は将来必ず社会ニーズがでてくる。必ず事業に結びつくと考えている」と語った。