フェラーリの創業は1947年で今年70周年を迎えた。これを記念して様々なイベントが開催されるようだが、Webモーターマガジンでは何回にわたってフェラーリ70周年のマイルストーンを振り返ってみたいと思う。第1回は“フェラーリF40”だ。
画像: フェラーリ F40。30年前のモデルとはとても思えない、洗練されたスタイリングだ。

フェラーリ F40。30年前のモデルとはとても思えない、洗練されたスタイリングだ。

驚くべきプレミアム価格で取引された

1947年創業のフェラーリは今年70周年を迎えた。この間、数々の名車が誕生してきたわけだが、中でもいまも光り輝き続けている1台が「フェラーリF40」だ。フェラーリ自身が70周年のマイルストーンとして14の出来事を挙げているが、そのひとつに「フェラーリ初のスーパーカーF40をリリース」というものがある。

いったい何が凄いのか。F40はフェラーリ創業40周年を祝うモデルとして誕生したが、結果的にエンツォ・フェラーリが最後に手がけたモデルになった。そういう意味でエンツォの思いが込められた集大成といえるモデルであり、そもそもこの40周年記念車はエンツォの強い意向により誕生したのだ。

さて、技術的には308GTBとGTOエヴォルツィオーネを進化させたモデルで、最高出力は478ps、車両重量はわずか1100kgで、当時の市販車としてトップに立つ最高速324km/hをマークした。さらにその華麗なるスタイリングはピニンファリーナとニコラ・マテラッツィによるもので、グラスファイバーが採用されている。

1987年7月21日にマラネッロで公開されると注文が殺到、フェラーリが売り出した車両価格は3億8000万リラだったが、すぐに16億リラで転売されたものもあったという。日本は折しもバブル経済を駆け上がろうという時期で、イタリア以上のプレミアム価格がついた。良きにつけ悪しきにつけ、バブルを象徴するスーパーカーだった。5年間におよぶ生産台数は約1300台、日本へ60台ほど上陸したという。

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