文:アレックス・オースタン(Kimura Office)/写真:Daimler AG
Eクラスカブリオレは、エレガント、なのに走れば楽しい。
現行Eクラスは、2016年1月にまずセダンがデビューし、同年夏にステーションワゴン、秋にオールテレイン、今年1月にクーペと、バリエーションを拡充している。今年3月のジュネーブオートサロンでは、4シーターコンバーチブルのカブリオレがワールドプレミアされ、さらにバリエーションが充実した。
スイス ジュネーブを起点に行われた国際試乗会で、その走りを体験することができた。
Eクラスにカブリオレが初めて設定されたのは、今から25年前の1992年まで遡る。W124をベースにオープントップに仕立てられた300CE-24(A124)がルーツだ。以来「メルセデス・ベンツのカブリオレ」はファンを増やし続け、今ではCクラスやSクラスにもカブリオレが用意されるようになった。
あれから四半世紀を経て登場した最新のEクラスカブリオレは、とても先進的に仕上がっている。クーペモデルと同様に、美しいフォルムを持つがやはりその最大の魅力はオープンボディである。そして最新のオープンカーとしても非常に高い完成度を実現している。
まずはそのルックスだが、クーペに通じるスポーティネスを感じさせつつ、とてもエレガントな雰囲気を醸し出している。ソフトトップは、クローズド状態でも滑らかなで優雅なシルエットを実現。インテリアも、カブリオレ専用の新しいタービンルックのエアベントや、ヨットブルーおよびチタンレッドのインテリアカラーが、スポーティかつ上質で洗練された雰囲気を演出している。
センターコンソールに備わるスイッチの操作で自動開閉するソフトトップは、約20秒で開閉し、50km/h以下であれば走行中でも開閉可能だ。車両重量はクーペに対して90kg増に抑えながら、各部の補強で高いボディ剛性を実現している。
またラゲッジルームはクローズ時が385L、オープン時でも310Lの容量を確保したほか、Eクラスカブリオレで初となる50:50の分割可倒式リアシートを採用し、高い実用性を手に入れた。
(後編へつづく)