第7世代の半ばで大掛かりなブラッシュアップを受けたゴルフだが、さらなる進化形が完成しつつある。ミラーサイクルやVTGなどを採用したBlueMotionの走りは確かに、一歩、先を行くものだった。(前編)
文:木村好宏/写真:Kimura Office

ゴルフ ブルーモーションは風に乗るかのように長いコースティングが楽しめる

間もなくドイツで発売予定の『ゴルフVIIブルーモーション』のプロトタイプに、早くも試乗できるチャンスがやってきた。

以前、オーストリアで開催された「ウイーン国際エンジンシンポジウム」において発表され、話題になったユニットを実際に搭載している。走行中、正確には負荷の少ないおよそ30km/hから130km/hくらいのコースティング時に、エンジンが停止するマイクロハイブリッドシステム「FMA〈Freilauf Motor Aus〉」(英訳するとコースティング エンジン オフ)である。

このエンジンは「EA211 TSI evo」の進化版だ。1.5LのTSIエボに新たにミラーサイクルを採用、燃焼温度を下げるとともにVTG(可変タービンジオメトリー)の搭載も可能にした。スペックはまだ公表されていないが、最高出力はスタンダードの150psに対して130ps程度になるらしい。また、組み合わされるのは7速のDCTである。

画像: 完全にエンジンが停止した状態でも、ドライバーズシート下のリチウムイオン電池によって補機類は動き続けるシステムを採用。快適性も損なわれない。

完全にエンジンが停止した状態でも、ドライバーズシート下のリチウムイオン電池によって補機類は動き続けるシステムを採用。快適性も損なわれない。

プロトタイプということもあって、試乗させてもらったゴルフのエクステリアは、ほとんどスタンダードモデルと差はない。

だが、取材に同行してくれた開発担当のDr.ヨルグ・テオバルトによれば、空気抵抗を減らすためにグリルの一部を閉じるシャッター機能や、走行抵抗低減に効果的な転がり抵抗の少ないエコタイヤなどを装着しているという。

インテリアも、とりあえずはとても見慣れたゴルフそのもの。エンジンスタートしても、1000rpmほどの低回転域から十分なトルクを発生する。加速時にもまったく違和感や不足感はない。わずかに、やや高めの空気圧に設定されたタイヤから、段差を横切る際に軽いショックが伝わってくるだけだ。

そのまま普通に速度を上げていく。やがて一般道路に出て、平坦な直線路に入り、およそ100km/hくらいでアクセルペダルをわずかに緩めてみた。すると、レヴカウンターの針がストンとゼロに落ち込んでエンジンが停止。そしてそのまま、まさに風に乗るかのように、長いコースティングが始まった。速度はあくまでごくゆっくりと下降していくので、後続車から邪魔者扱いされることもない。

あらためてこのブルーモーションモデルに関連するすべてのメカニズムが、いかに無駄なくスムーズに働いているかがよくわかる。しかも走行状況に応じて、まずはシリンダー休止システムが働いて2気筒状態で走り、やがて必要があれば4気筒に自動的に切り換わる。必要なパワーに応じて、エンジンが気筒数を適切に制御してくれるのだ。
(後編へ続く)

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