リアエンジン/リア駆動(RR)のスポーツモデル
新型トゥインゴは、2016年9月に日本上陸したルノーのAセグメントモデル。ご存じのとおり、あの「スマート フォーフォー」と兄弟車という関係になる、リアエンジン/リア駆動(RR)のクルマになる。最小回転半径は4.3mと、パリの狭い路地でも運転しやすい。ボディカラーも豊富に用意されているし、インテリアカラーもポップ。言ってみれば、フランスのお菓子「マカロン」みたいな存在。小さいボディだが室内は広い、スモールシティカーだ。
そんなトゥインゴにこの10月、設定されたのが「トゥインゴGT」。その名のとおり、強化されたエンジン/シャシを持つスポーツモデル。トランスミッションは5速MTのみ。他のルノー「GT」モデルと同様、あのルノー・スポール(R.S.)が開発を手がけている。
![画像: リアには誇らしげに「RENAULT SPORT(ルノー・スポール)」のエンブレムが掲げられる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/7fbfd7f5df2360b0816346b2064e2b3657c23e4a_xlarge.jpg)
リアには誇らしげに「RENAULT SPORT(ルノー・スポール)」のエンブレムが掲げられる。
エクステリアで特徴的なのは、左リアフェンダーに取り付けられたサイドエアインテーク。ノーマルのトゥインゴはホイールアーチ上部にあるエアインテークの位置を変更したことで、ターボチャージャーに入る空気の温度が12%低下、エンジンの吸気流量が23%も向上しているのだという。
![画像: これがサイドエアインテーク。リアのエンジンに空気を送る。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/0bb34aba5daa7c23faa7d4cd5381cfd9b1fef5a5_xlarge.jpg)
これがサイドエアインテーク。リアのエンジンに空気を送る。
それに加え、エキゾーストシステムも排気圧改善のために新たにクロームのデュアルエキゾーストパイプを装着。またエンジンのマッピングを変更したことで、排気量は897ccの直3ターボエンジンで出力/トルクは109ps/170Nmを発生する。ノーマルの0.9Lターボモデルが90ps/135Nmなので、これは大幅な出力アップだ。
![画像: クロームのデュアルエキゾーストパイプはトゥインゴGT専用。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/edc840c4f554d0cc312434b2ae70f2c890012a5c_xlarge.jpg)
クロームのデュアルエキゾーストパイプはトゥインゴGT専用。
![画像: ノーマルのターボモデルと排気量(897cc)/型式(H4B)ともに同じだが、109ps/170Nmに出力アップされている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/f0a678a95f86220530dd9a48d39106aeb9de17a1_xlarge.jpg)
ノーマルのターボモデルと排気量(897cc)/型式(H4B)ともに同じだが、109ps/170Nmに出力アップされている。
室内は、ボディカラーのオランジュ ブレイズメタリック(オレンジ)に合わせた配色。エアコン吹き出し口やシフトレバーのブーツリングなどに、オレンジの差し色が配されて、小粋でポップな仕上がりとなっている。ここらへんは、ノーマルのトゥインゴと共通しているところだろう。
![画像: 室内はこんな感じ。エアコン吹き出し口などにあるオレンジの差し色がカワイイ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/67d8b558e6f90c045b3230023e6eab41d102ae9c_xlarge.jpg)
室内はこんな感じ。エアコン吹き出し口などにあるオレンジの差し色がカワイイ。
FFモデルでは味わえない「ムズムズッ」とした挙動が味わえる
キーをコラムに挿し、回してエンジンを始動する。
![画像: スロットルレスポンスが鋭く、加速も小気味良い。アクセルオフですぐに回転が落ちる、節度感あるエンジン特性。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/e2ae9b11850ae69adcb4b708804c9485cd9e8159_xlarge.jpg)
スロットルレスポンスが鋭く、加速も小気味良い。アクセルオフですぐに回転が落ちる、節度感あるエンジン特性。
リアに搭載するエンジンは、大幅の性能向上にもかかわらず、街乗りレベルでは存在感を示さない。室内は非常に静か。もしかしたら、エンジンが前にある「ふつうの」コンパクトカーよりも日常走行しているときの静粛性は高いかもしれない。
シフトストロークは長めだが、スッと入る感覚が気持ち良い。エンジン回転を耳で確かめながら2速/3速。このリズム感がたまらない。日常使いではちょっと硬めに感じる足だけど、荷重をかけるときちんとストロークし、きちんと動くするので、いつでもタイヤが路面に接地する安心感がある。どんなに速度を上げていっても、接地の「ヌケ感」がないから、ワインディングではとても楽しい。クルマとシンクロして、まるで「クルマを着ているような」感覚になってくる。
![画像: 変速時はスッとシフトゲートに収まり、心地よい5速MT。後退するには、根本のリングを上げながら右手前「R」に入れる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/19495cc5e7c06f3fabf6c629faa4ba7a4cf30c12_xlarge.jpg)
変速時はスッとシフトゲートに収まり、心地よい5速MT。後退するには、根本のリングを上げながら右手前「R」に入れる。
ESC(横滑り防止装置)の介入も、ノーマルのトゥインゴに対して遅めで、ある程度許容してくれる。だからコーナーリング時には、あの、お尻が“ムズムズッ”とする、FFモデルでは感じることのできない典型的な「RR」の挙動まで味わわせてくれるのだ。
一眼タイプのメーターの中に、じつは回転計は見当たらない。でもここで「スポーツモデルなのにタコメーターがないなんて…」とガッカリするのは早合点だ。ルノー車専用アプリ「R&Go」で設定すれば、自分のスマホにエンジン回転を表示できる。
![画像: 一眼タイプのメーター。中央のインフォメーションディスプレイには燃費や外気温などのほか、シフトアップ/ダウン表示もされる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/6de9e54ac9875c54785ea027dd378dc6ca65a28e_xlarge.jpg)
一眼タイプのメーター。中央のインフォメーションディスプレイには燃費や外気温などのほか、シフトアップ/ダウン表示もされる。
今回は「オランジュ ブレイズメタリック」のボディカラーに5速MTのみの組み合わせで200台限定だが、このトゥインゴGT、来年2018年の年明けにはカタログモデルとなり、5速MTのほかに6速EDC(DCT)モデルもラインアップされる。こちらも待ち遠しい。
■文:ネギシマコト/■写真:玉井 充
![画像: フロントシートはレザー調×ファブリックのコンビシート。運転席/助手席ともシートヒーターが装備。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/e809acb01bbd1c30dd492a66c07e592755943caa_xlarge.jpg)
フロントシートはレザー調×ファブリックのコンビシート。運転席/助手席ともシートヒーターが装備。
![画像: リアシートは50:50の分割可倒式。乗車定員は4名となる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2017/10/31/a2f3899cc5bb4bff966c89c98cda24c0209dd33c_xlarge.jpg)
リアシートは50:50の分割可倒式。乗車定員は4名となる。
ルノー・トゥインゴGT 主要諸元
●サイズ=3630×1660×1545mm ●ホイールベース=2490mm ●車両重量=1010kg ●エンジン=直3DOHCターボ 897cc ●エンジン最高出力=109ps/5750rpm ●エンジン最大トルク=170Nm/2000rpm ●駆動方式=RR ●224万円