みなさん覚えているだろうか。自動車運転免許を取得するとき教習所で誰もが習う、クルマの乗車定員において子供3人は大人2人に相当するというもの。この法規や事故などの危険性について鈴木健一氏に解説してもらった。

一般道では違反切符を切られない。でも子供の安全を考えて!

クルマに乗ることのできる最大の人数は決まっている。いわゆる定員だ。ところが、“子供は小さいから、同じ数の大人よりもたくさん乗れる”とばかりに道路運送車両の保安基準第53条で「十二歳以上の者一人は、十二歳未満の小児又は幼児一・五人に相当するものとする」と定められている。つまり、子供3人=大人2人という計算だ。

この方程式を使えば、4人乗りの軽自動車に「大人2人+子供3人」、7人乗りのミニバンに「大人2人+子供7人」もOKになる。ここで問題になるのはシートベルトとチャイルドシートの数だ。基本的に、現在はすべての座席でシートベルト着用が義務化されている。後席のシートベルト不着用は、一般道では違反切符を切られないが、違反には間違いない。

しかし、子供3人=大人2人の計算ではシートベルトが足りなくなり、チャイルドシートでも同じような状況が予想される。その場合はどうなるのかというと、両方とも免除される。つまり“シートベルトもチャイルドシートもなしで乗せてよろしい”というのがお上の沙汰なのだ。

だから「軽自動車に大人2人+子供3人で乗る」は合法。しかし、現実問題としては、まったくもってNG。アホすぎる。

事故が起きたら、どうなる?シートベルトをした大人が助かって、子供だけ怪我をする可能性が高い。逆走車との正面衝突や、あおり運転をするようなクルマとの事故も怖い。そんなとき子供を守るのは、シートベルトとチャイルドシートだ。

また「前席はともかく、後席はしなくても大丈夫」というのも勘違い。たとえ10㎞/hの衝突でも、子供には致命傷になる可能性が高くなる。自分の子供だけでなく、よそ様の子供に怪我をさせたら責任は重大だ。

シートベルト装着は、警察に捕まるからではなく、自分や子供を守るためにするもの。その基本を忘れないようにしよう。

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