ちょっと前まで、クルマを設計・開発する場合は、プラットフォーム=車台と呼ばれるアンダーボディをベースに進めていくのが当たり前だった。いわゆる共通化だが、実際には車種ごとに細々とした設計変更が発生し、一見効率が良いようで実はコストが上がる要因となっていた。そこで品質の向上とコストダウンという相反する理想を実現するためにルノー日産が取り組んだのが、「モジュール化」である。車体の構造を「エンジンコンパートメント」「コクピット」「フロントアンダーボディ」「リアアンダーボディ」の4つのモジュールに分け、さらに、電子部品を共通化する「電子アーキテクチャー」を加えた4+1のモジュールを組み合わせることで、さまざまな車種/カテゴリーに対応するのだ。
ルノー日産ではこの開発設計手法を2013年に発売されたエクストレイルから導入を開始しており、すでに以下の車種に採用されている。
<CMF-C/D 中型車クラス>
日産エクストレイル/日産ローグ/日産キャシュカイ/日産ローグスポーツ/日産パルサー/日産ティーダ/日産ルノー・エスパス/ルノー・カジャール/ルノー・メガーヌ/ルノー・セニック/グランセニック/ルノー・タリスマン/ルノー・コレオス/ルノーサムスン・SM6/ルノーサムスン・QM6など。
<CMF-A 新興国向けコンパクトカー>
ルノー・クウィッド/ダットサンredi- GOなど。
すでにかなりの車種に採用されているので驚くかも知れないが、今後はコンパクトクラス用のCMF-Bを採用した車種やCMFの手法を採用したEV専用のプラットフォームも導入される。新たにアライアンスに加わった三菱自動車も今後はCMFを使うことになる。その第一弾は2021年に発売される次期アウトランダーだと言われている。